2023年11月14日~16日、マルタ共和国で開催されたSiGMA EUROPE(シグマヨーロッパ)に参加してきました。日本からロンドン経由でマルタ入りし、ロンドンで3泊、マルタで3泊、さらにロンドンで4泊して日本に帰国しました。
カンファレンス参加は2023年2月のロンドン以来で、今回も業界各社と現地ミーティングを行いました。さらにロンドンでの会食機会も多数ありましたので、SiGMA会場以外でのミーティングも多数ありました。
日本で情報が少ないSiGMAマルタについて、現地情報をたっぷりとお届けします!
2023年11月時点のスポーツベッティング業界トレンド
まずSiGMAを通して見えてきた業界のトレンドについて触れておきます。
2023年9月~10月にかけて業界を賑わせた配信者逮捕、決済代行業者の摘発といった大きなトピックがありましたが、各社「特にあの事件があったからといって大きな変更はなく、あくまで今まで通り」というのが共通認識でした。
実際スポーツブック各社で数字上の大きな変化は見られず、あの騒動の前後で明確に何かが変わったという事象も全く確認できていません。ユーザーが使う入金方法に大きな違いが出るといった変化も特に無いそうです。
あの騒動はあくまでオンラインカジノにフォーカスされたせいなのか、一般の方もオンラインカジノとスポーツブックが同一のものと思っていない人が多いせいなのか、良くも悪くもスポーツブックは無風が続いています。
ただスポーツブックでプレイするユーザーも油断は禁物ですから、「気を引き締めて油断をせず、自分たちはグレー領域で遊んでいるという自覚を持って、謙虚に遊ぶ」といった、もとの姿勢を思い出していただいた方がより安全かなと思います。
ブクサカ限定の定期キャンペーンを模索中
また今回の欧州出張を通して各社と意見交換を行い、ブクサカ経由の登録者に対し、継続的なメリットを受け取ってもらうための体制づくりを目指して計画を進めているところです。
まだ実現できるかどうか全くの未知数ですが、当サイト経由で登録したユーザーに対してキャンペーン告知を行い、一定額以上の入金やプレイを満たすことを条件に
- レプリカユニフォーム
- サイン入りユニフォーム
- 入金ボーナス
- フリーベット
- 限定スペシャルオッズ
といったプレゼント企画を継続的にやりたいなぁと考えています。ユーザーにブクサカで会員登録をしてもらうのか、ブックメーカー側から直接ユーザーにアプローチするのかも含めて実現可能性を探っている段階。
ユーザーの登録元って後から変えることはできないので、「○○から登録したから、他にはない独自のチャンスが貰える」という、目に見えた継続的なメリットを与えられるような体制を作れればと思っています。
SiGMA EUROPE SUMMIT in MALTAについて
続いて、SiGMA(シグマ)について簡単に説明しておきます。
SiGMAは世界様々な地域で開催されるiGaming業界の展示会です。この業界で有名なICE London(アイス ロンドン)とは主催者は異なるものの、出展企業はかなり似通っており、実質的に中身はほぼ同じようなカンファレンスになっています。
SiGMAの開催地域は下記5都市で毎年開催。
- Eurasia(ドバイ)
- Africa(ケープタウン)
- Americas(サンパウロ)
- Asia(マニラ)
- East Europe(ブタペスト)
- Europe(マルタ)
日本在住の関係者は6月~7月ごろに開催されるフィリピンのマニラに参加される方が最も多く、業界関係者が多いマルタもチラホラいて、それ以外の地域に参加される方はあまり聞いたことがないですね。
SiGMAマルタはロンドンで開催される大きなカンファレンスよりも規模はずっと小さいと聞いていたのですが、今年からSiGMAの会場が変更されたこともあってか、思ったよりは会場規模も大きかったです。
あと来場者の多さも当然ですが、カジノらしい派手派手しいカンファレンスだったなと思います。
カンファレンスに参加する目的
ロンドンで開催されるICE(アイス)やこのSiGMA(シグマ)のような業界カンファレンスは、日本でいう東京ビッグサイトやインテックス大阪などで開催される展示会のようなもの。
業界関係者は欧州をはじめ世界各国に散らばっていますので、普段はオンラインミーティング中心に関係各社と取引をしている中で、一度に大量の関係各社と対面でミーティングが行えるというのもカンファレンス参加の大きな意義となっています。
オンラインカジノ、ブックメーカー、ペイメント関係、ゲームプロバイダー、各種システム会社、アフィリエイト、ライセンス関係など、業界に携わる様々な立場の人が一同に介す訳ですが、「この業界ってこんなに沢山の会社が存在するのか」と毎回驚くものです。
具体的な参加目的は既存取引先とのミーティングはもちろん、新しい取引先の開拓、アフィリエイターの発掘、特定地域への進出の足がかりなど、目指す収穫は人によって実に様々です。
出展費はブースの大きさにもよるものの、小さいものでも何やかんやで1万ユーロ(約160万円)ぐらい必要みたいで、「これだと元が取れないので出展をやめて、来場者として参加するだけにした」と仰っていた企業さんもおられました。
アフィリエイターは参加無料、それ以外の関係者は入場料あり
こういった業界カンファレンスは基本的にアフィリエイターは無料参加できます。
公式サイトからアフィリエイトの無料登録ボタンがあるので、そこから個人情報、運営サイト情報、トラフィック数などを入力し、アフィリエイト活動を行っている証拠画像(管理画面のスクショなど)を提出すると、無料で入場許可証を取得することができます。
その他の来場者はチケットの種類によって値段は変動するものの、ベースとなるのは3日間の全日程での入場ができるもので200ユーロ(約32,000円)。それ以外に食事やパーティの参加権利の有無などで値段が上がっていきます。
主な出展企業と会場内の様子
会場内は「人、人、人、人」の大混雑。11月のマルタは過ごしやすい気候でしたが、昼間は気温が25度ぐらいまで上がったため、混雑も相まって少し汗ばむぐらいでした。
大混雑の入り口。写真は帰り際に撮影したので空いてます。ここで入場許可証のQRコードとパスポートを出してIDを受け取ります。
屋内ブース入り口の様子です。スポーツ関係のところを中心にご紹介します。
決済サービスのJeton。
キュラソーライセンス。
申し込み窓口の案内まで。たこ焼き買うぐらいのテンションでライセンス申し込みできちゃう。
888グループ。ウィリアムヒルの親会社です。日本人担当者の方はマルタには来られていませんでしたので、ロンドンでお会いしました。
1XBET。相変わらず派手。
22BET。
GG.Bet。
BC.Game。
Pinnacle。
所狭しにブースが立ち並び、屋外にもステージ、巨大ブース、特設フードコートも用意され、大音量のBGMが鳴り響きます。もはやカンファレンスというより屋外フェスですね。
港湾地区に作られた特設会場だったせいか、会場内にも建設機械がそのまま無造作に置かれていたり、人混みの中をブルドーザーのような巨大機械が動いていたりと、特設会場はなかなかカオス。
オンカジ系のアフィリエイト会社までブース出展
結構びっくりしたんですが、マルタ拠点のアフィリエイト会社までブースを出展していました。ブクサカがSiGMAにブースを出展するみたいな感じですから、本場でのアフィリエイト会社の存在って大きいんだなぁ~と。
うちのサイトに掲載したい広告主さん募集~!というのが主な出展理由。あとは酷い混雑で座れる場所が少ない会場内において、落ち着いてミーティングできる場所を確保する意味合いもあるでしょう。
ちなみにマルタを含めた海外のアフィリエイト会社は、様々な国と地域をターゲットにたサイトを複数保有しています。日本向けだけでもオンカジ系のアフィサイトを複数・同時運営しているので、こっちのサイトでこういう露出、あっちのサイトでこんな露出、といった沢山の引き出しを使いながら広告主と条件交渉を行っています。
日本のアフィリエイト会社は1サイト入魂のような形で、1サイトを大事に大事に育てていくことが多いですが、海外はサイトを同時多発的に展開し、有料リンクをベタベタ貼って、サイトを使い捨てながら伸ばすスタイルが多いのも、日本と欧米文化の違いでしょうか。
実はあなたも有名人?マルタでの知名度の高さにビビる
会場をフラついていると、日本人にもちょこちょこ遭遇します。
会場で名刺交換をして挨拶していると、「あれ、そういえばロンドンでもお会いましたね」と思わぬ再会だったり、「はじめまして」でご挨拶したり、会場外で知り合いがご縁を繋いでくださってご紹介いただいたりと、マルタ滞在中は人と会う機会が本当に多かった。
この業界は狭いので、一度この業界の人脈サークルの中に入ってしまえば、あとは初対面でも共通の知人だらけ状態になります。初対面でご挨拶した方の中にも、ブクサカのことを知っている人が結構いらっしゃって、
「あ、あの有名なブクサカのオーナーさんですか!?」
とか
「よく存じ上げてます。今までご縁がなかったですけど、ついにお会いできましたね」
など、私がお相手をよく知らなくても、相手がこちらをよく知ってくれているケースが本当に増えたと感じます。本当に、ありがたいことです。
ブクサカを知ってるなんて随分なマニアだな~と思ったのですが、検索結果上やSNS上でマーケット調査をしていると目に入ってくる存在というのは、自分たちが考えている以上に知名度が高いようです。
なのでSNS上で活動されている現役ベッターの方も、実はロンドンやマルタの業界関係者にマークされていたり、影響力が高いアカウントとしてリストアップされているというケースが多いと思います。
実際ブックメーカー側からDMを通して声がかかってプロモーションに協力している人も多いでしょうから、そんなアナタがロンドンやマルタに来れば「ちょっとした有名人」になれるかも…!?
もはや国家イベント!?SiGMAの影響で大渋滞
ここからは完全に余談です。2024年以降のSiGMAに参加される方の参考になれば。
今回のSiGMAはアクセスが非常に悪い港湾地区の特設会場にて開催されました。
マルタは移動手段はタクシーかバスしかないので、午前中と夕方以降の大渋滞は凄まじく、UberやBoltといった配車アプリでも、なかなかタクシーが捕まりません。しかも会場がGoogleMapの検索場所とは異なっていたこともあって、特にカンファレンス初日は開催場所の周辺地域が大混乱でした。
「これ以上は近寄れないから」と会場付近でタクシーを降ろされて、右往左往、あっち行ったりこっち戻ったりしながら、ようやく会場入りです。初日の朝のミーティングは大渋滞で遅刻する人が続出したようなので、もし現地に行く場合は早めに動くか、時間に余裕を持って動いた方がいいです。
会場までたどりついたと思ったら、今度はすごい砂埃。
帰りの混雑もまた一段と酷く、会場の出口付近は人でごった返し。会場から20分ほど歩いて離れて、主要道路の反対車線まで出て、さらに15分ほど待ってようやくタクシーに乗り込むといった具合でした。
ちなみに宿泊先のホテルからもSiGMA会場行きのシャトルバスが出ていましたが、そのバスの存在に気づいたのがマルタ出国日でしたので、ついに乗る機会はなく。。
SiGMA期間中の大混乱は現地新聞でも詳細に報じられていました。
疲労困憊でホテルに戻り「渋滞が酷かったよ…」と言うとスタッフの皆さん苦笑いしてました。フロントの方いわく「マルタは車しか移動手段がないから、有名なアーティストのライブとか、大きなスポーツイベントとかがあるとすぐに大渋滞になってしまうんです」とのこと。
マルタの街中は坂やクネクネ道が多く、タクシーの運転も荒いです。住み慣れてる人でもバス酔いするみたいなので、乗り物酔いする人は絶対マルタに向いてないっぽい。
ぶっちゃけ、スポーツ系はマルタまで行かなくていいかも
ここまで書いてきて何ですけども、スポーツ分野を主軸にアフィリエイト活動する方なら、マルタのSiGMAは無理に参加しなくてもいいかな~と思います。
私が見る限り(関係者に聞いた限りでも)、今回のSiGMAに参加していたスポーツ系のサイト運営者は私たちブクサカだけで、ロンドン拠点のブックメーカー担当者の参加すら非常に少なかったです。
参加する価値があるのは、オンラインカジノの関係者。こっちは参加者も多いし、多くのオンラインカジノサイトの運営拠点でもあるので、オンカジアフィリエイターなら来る価値は高そう。
もちろん私は今回参加してよかったし収穫も大きかったんですが、例年ロンドンで開催される大規模カンファレンスが2月(2025年からバルセロナで1月開催に変更)ですので、もしスポーツジャンルで参加するならこっちが断然オススメです。
あと毎年6月~7月にフィリピン・マニラでSiGMAがあるので、SiGMAに参加するならこっちで十分です。日本からの関係者の参加もこっちの方が多いと聞いていますし。
マルタのSiGMA EUROPEに参戦
会場が今年から港湾地区に変わり、移動手段が車しかないため街中は大渋滞。。
カジノ関係者は沢山いましたが、日本のスポーツアフィリエイト参加は私たちぐらいで寂しかったです#SIGMA pic.twitter.com/Zom7wfASn3
— ブクサカ (@bukusaka) November 14, 2023
まとめ
2023年11月のSiGMAマルタは騒動が大きかったこともあってか、日本市場の関係者は「様子見」のイメージが強いカンファレンスでした。スポーツ関係者の参加は非常に少なかったですし、特に大きな動きもありませんでした。。
オンラインカジノの方はまだまだ激動の時代が続くでしょうが、スポーツブックは例年通り、スポーツイベントのカレンダーをベースに安定的に推移していくはずです。
2024年はサッカーアジアカップ、ユーロ本大会、オリンピックといった大きなイベントがあるので、それに向けて盛り上がりを作れるように頑張っていくだけですね。