23-24 UEFAチャンピオンズリーグ優勝予想オッズと準決勝展望|海外ブックメーカー発表 | ブクサカ

23-24 UEFAチャンピオンズリーグ優勝予想オッズと準決勝展望|海外ブックメーカー発表

西岡明彦さんによるUEFAチャンピオンズリーグ優勝予想オッズ記事のアイキャッチ画像
チャンピオンズリーグ

2023-24シーズンのUEFAチャンピオンズリーグもいよいよ準決勝です。ベスト4に駒を進めたチームが、ここからどんな戦いを見せてくれるのか。今回も中継実況を務める西岡明彦氏に、各チームの状況と展望を語っていただきました。

西岡明彦

スポーツコメンテイター。

青山学院大学卒業後に広島ホームテレビ(テレビ朝日系列)に入社、アナウンサーとして勤務する。1998年に同社を退社し英国へ留学、プレミアリーグの醍醐味に魅了される。帰国後、Jリーグをはじめ、プレミアリーグ、セリエA、UEFAチャンピオンズリーグなどの実況を務めるなど、サッカー専門のコメンテイターとして活動している。

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海外ブックメーカー発表/チャンピオンズリーグ優勝オッズ

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準決勝直前の優勝オッズはこちらです。

チーム名 オッズ
1 レアル・マドリード 2.37倍
2 PSG 3.50倍
3 バイエルン 3.75倍
4 ドルトムント 8.50倍

※オッズは2024年4月28日時点のWilliamHill公式サイト(UEFAチャンピオンズリーグ 2023/24 – 優勝)から引用

ベスト4に残ったチームの中では、ドルトムントはちょっと落ちるかもしれませんが、オッズで評価の高い3チームは、どこも優勝の可能性があるのではないかと思います。その中でも、レアル・マドリードは一番安定していて、要所要所で勝負強いのではないでしょうか。

決勝にふさわしいのはレアル・マドリードどPSGと見ています。ここからはそれぞれの試合について展望してみたいと思います。

 

レアル・マドリード vs バイエルン

両チームの決勝進出オッズはこちらです。

 レアル・マドリード 1.57倍
 バイエルン 2.25倍

 

最有力はレアル・マドリード

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安定感があるレアルは、メンバーが入れ替わっても落ちることがないのは大きいと思います。シーズンも終盤になってくると、誰か1人が出場停止とか、怪我で出られない選手が出てきますが、レアルはそれがあっても何とかなるチームです。

GKクルトワがいなかったり、センターバックもそんなに万全ではないというか。リュディガーやナチョを使ったりとか。本来ならアラバがいいんでしょうけど、怪我をしていたり。こういう状況になると、他のチームだと結構痛いというか、戦力が落ちてしまったり、途中出場で流れ変えられそうな選手がいなくなってしまう。それでもレアルは、そういった弱さを感じさせません。

前の方はそんな怪我人もいないけど、ベリンガム、ヴィニシウス、ロドリがいて、ちょっと変化をつけられるブライム・ディアスやホセルがいる。

そんなに強烈というわけではないけど、そこそこ計算が立つ。それは他チームではなかなかない。例えばPSGだと、前のデンベレ、エムバペはいいけど、他は?となる。エムバペが引っ張るしかない感じです。コロ・ムアニやアセンシオといった選手はいますが、ちょっと弱いですね。

やはりレアルは総合力と勝負強さがありますね。(準々決勝で)マンチェスター・Cも破りました。あれが今年の1番のビッグマッチというか、事実上の決勝戦とも言えるような試合だったと思います。

打ち合いになるとまずいかなっていう試合で、それができてしまう(第1戦で3-3、第2戦で1-1)。それがすごいですね。

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だから、総合的に見てオッズが1番というのは、当然だなと思います。穴がない。1-0の試合もできる、3-2とか4-3の打ち合いもできる、結果的にシティ戦はそういう試合になっちゃったのか、自分たちでそう持っていったのかはわかりませんが、そういう試合展開になってもやれるのがすごいですね。

例えばアトレチコ・マドリードはそういうチームじゃない中で、ドルトムントとの準々決勝では打ち合いになって崩れてしまった。(第1戦は2-1、第2戦は2-4) そういう試合になってしまったことで、セカンドレグで崩れてしまったと思います。

レアルはそこで崩れないところにも強さを感じます。

 

状態を上げているバイエルンはウィークポイントを隠せるか

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そのレアルと対戦するバイエルンは、トゥヘル監督が辞めますとなっていた時期からすると、今は非常にいいですね。辞めるどうこうで吹っ切れて良くなったっていうことではないと思いますし、このクラスの選手なら関係ないとは思いますけど、クラブがそういう判断をしたところから、結果的にはすごく良くなりました。すごく攻撃的になったと思います。

ここ最近の試合では、ボールを取られてもすぐ取り返しに行くようになっています。悪い時には切り替えの速さがありませんでした。 それがない分、攻撃に速さもなくて、ブンデスリーガだと、相手に引かれてしまうと手がなくなってしまっていました。そうやって悪い流れに入っていましたが、今は失ってもすぐ取り返しに行って、 攻撃の強いアーセナルとかでも封じ込めてしまう。 

怪我人が多いのは良くないですが、それを補えるだけのアグレッシブさがあります。バイエルンの持っているポテンシャルからすると、本来のいい時に戻ってるかなと思います。伝統的に、ウインガータイプの選手が両ワイドをガンガンいってチャンスを作って、中で仕留める。

キミッヒを右のサイドバックに置いているのはチームにとって良いと思います。右サイドはずっとマズラウィがやっていましたが、コンディションの問題もあったりして、キミッヒがやるようになりました。

キミッヒはチームが悪い時期までボランチをやっていましたが、右サイドバックに置いてからの方が、実はいいと見ています。中に入ってヘディングを決めたりするし、キックの精度がいいのでクロスも良いボールが入ります。中に入っていろいろなプレーもできるので、良いと思います。

その中で、ザネは試合に出ていますが、万全ではなく、代わりがいなくて出てもらっているような感じです。コマン、ニャブリが怪我で離脱していて、スピードタイプでサイドで崩せるのがザネと若いテルぐらいしかいなくて、 サイドのプレイヤーがちょっと足りていません。元々ストライカーのシュポ・モティンが左サイドをやったりもしているぐらいです。そのあたりをどう隠してやれるかがカギになると思います。

チームの戦い方としては前から行こうとしていて悪くないですが、本来いるサイドアタッカーがいれば、もっといいという印象です。とはいえバイエルンは、ウィークポイントをなんとか隠しながらやっている状態ではあると思います。

 

PSG vs ドルトムント

両チームの決勝進出オッズはこちらです。

 PSG  1.40倍
 ドルトムント  2.75倍

 

 

後押し受けて万全の状態で臨めるPSG

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PSGは準々決勝の実況を担当しましたが、選手層は厚くないので、交代選手で何かできるかっていうと、そこはちょっと心もとないと思います。

前はやっぱりデンベレやエムバペの個の力がすごく大きいので、それは必要になってくるし、プラスアルファ、国内がぶっちぎり(2位のモナコと勝ち点12差)だし、チャンピオンズリーグの間の週の国内リーグ戦が延期になったりとか、すごく優遇されています。

試合もやらないし、主力も休んでいるし、完全にチャンピオンズリーグの準備ができている。リーグとして、リーグアンのクラブが欧州大会で勝てるように後押ししていくよという感じです。

他の国内リーグのクラブからは結構ブーイングも出ているようですが、実際は試合がどんどんと飛んじゃってる状況です。 試合があったとしても、ライバルチームとの勝ち点差があるから、控えメンバーで戦ってもいい。この準決勝に向けて、万全の準備を整えて臨むことができると思います。そのアドバンテージは相当あるのではないでしょうか。 

そういった状況なので、準々決勝のバルセロナ戦でも、選手を疲労で代える必要もありませんでした。エムバペ、デンベレは多少疲れてきても、そのまま出続けていました。

その戦い方は準決勝でも変わらないでしょう。

 

ドルトムントは中盤までにいかに相手攻撃を食い止められるか

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ドルトムントは、このチャンピオンズリーグに関してはすごい良いですね。少し調子を落としていたし、どうなのかなと思いましたが、やっぱりここぞという時にそういう試合ができるのは、 持ってるポテンシャルがあるのかなと感じました。

準々決勝で戦ったアトレティコ・マドリードは、前ほど堅いチームではなくなっていて、つけ入る隙があったのかなとは思います。ドルトムントの方がファーストレグは苦しんだけど、セカンドレグはもう完全にドルトムントのゲームだったと思います。

選手でみると、今はエムレ・ジャン。彼がガチャっと取りにいけるのが大きいですね。サンチョ、アデイェミといった選手の仕掛けがあったり、控えにもバイノー=ギッテンスという速い選手がいるので、彼らに持たせればチャンスは作れるでしょう。

これはバイエルンにも言えますが、ドルトムントも中盤でどれだけボールが取れて、展開早くできるかという感じなので、やはりキーになるのはエムレ・ジャン、ブラント、ヌメチャ 、ザビッツァーあたりでしょうか。

そのあたりがどういう組み合わせになるかわかりませんが、後ろのフンメルスらはスピードに弱いので、その前でいかに相手の攻撃を止めて、素早く攻めるか。そこでかわされて、PSGのデンベレやエムバペにボールが入ってしまうと、もうズルズルズルと下がらざるを得ない。エムバペとスピード勝負したら、フンメルスはぶっちぎられてしまうでしょう。

ドルトムントとしては、そうならないような試合運びにしていかないといけません。前からプレスにいって、ボールが前線に入らないように持っていけるかどうかが生命線。2試合ですべて止めるというのは不可能でしょうから、そこでどこまで耐えられるかですね。

 

王者にふさわしいのはレアルかPSG 年間通した安定したチームの戴冠を期待

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PSGとドルトムントの対戦であればPSGが優勢かなと思います。レアルとバイエルンは意外にいい勝負になるかなと考えています。

やっぱりチャンピオンズリーグは、1年間のシーズンを通してどれだけ安定して戦えているかがやっぱり問われることを考えると、レアルは国内リーグもしっかり戦っているし、そういう意味では、ふさわしいチーム。今年の1年間の成果で言うと、レアルかなと思います。

バイエルンも国内での戦いも悪くはないですが、レヴァークーゼンに国内タイトルを取られてしまったし。 また、監督が代わりますと言っているのに、チャンピオンズリーグを今制覇するのはどうかなと。 

以前のチェルシーのようなことがあると、締まりが良くない。国内の戦いもしっかり戦えているチームと考えると、あとはPSGでしょう。

他国リーグよりレベルが少し落ちるかもしれませんが、年間でも負けが少ない。シーズン中のアップダウンがあまりないということを評価すれば、タイトルにふさわしいチームはレアルかPSGかとなるのではないでしょうか。

 

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