カタールワールドカップ 日本×スペインの見どころ展望&放送予定【飯尾篤史】 | ブクサカ

カタールワールドカップ 日本×スペインの見どころ展望&放送予定【飯尾篤史】

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ワールドカップ

カタールワールドカップ2022・日本代表はグループリーグ最終戦でスペインと対戦します。日本時間12月2日(金)早朝4時キックオフ、試合はフジテレビ系列、abemaTVで完全生中継です。

運命を決めるグループステージ最終戦、日本中の注目を集めるこの1戦をサッカーライターでお馴染み、飯尾篤史さんに展開予想を語っていただきました。

ブックメーカーでの美味しいオッズを探している方も、純粋に試合展望を楽しみにしている方も、ぜひこの記事でコスタリカ戦を予習して本番の試合を楽しみましょう!

飯尾篤史

東京都生まれ。大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある

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カタールワールドカップ2022 注目の初戦!日本×ドイツ

グループE

初のW杯ベスト8進出を目指す日本代表のグループステージ第3戦の相手は、優勝候補の一角であるスペイン代表です。海外ブックメーカー、WilliamHILL(ウィリアムヒル)社の勝敗オッズは以下のようになっています。

  • スペイン:7.50倍
  • ドロー:4.20倍
  • 日本:1.44倍

※ 2022年11月18日時点でのWilliamHILL社発表オッズを引用

WilliamHill(ウィリアムヒル)のロゴ

スコア予想オッズを見てみると、「2-0 スペイン勝利:7.00倍」で一番低いオッズとなっていて、次に「1-0 スペイン勝利:8.00倍」となっています。日本が勝点を得られる結果でのオッズでは、「1-1ドロー:9.00倍」、勝利するとなると「1-0日本勝利:21.00倍」が一番低い数字となっています。

2-0、1-0でのスペイン勝利の可能性が高いと見られていることもあり、スペインは得点するが、日本は無得点に終わる可能性が高いオッズとなっています。その影響あってか、両チーム得点オッズも日本が無得点になる可能性が高いという予測が反映されています。

  • 両チーム得点あり:1.91倍
  • 両チーム得点なし:1.80倍

 

スペイン代表メンバー(12大会連続16回目)

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FIFAランク7位で12大会連続16回目の出場となるスペイン代表は、2010年の南アフリカ大会で初優勝を飾り、7ヶ国しかいなかった歴代優勝国の仲間入りを果たしました。

今大会の前評判も高く、ウィリアムヒルにおける優勝オッズは10.00倍。これは出場32チーム中5位の倍率となっています。

日本とスペインが同居するグループEのグループステージ突破オッズは以下の通り。

スペイン 1.11倍
 ドイツ 1.14倍
 日本 4.33倍
 コスタリカ 7.50倍

※ 2022年11月16日時点でのWilliamHILL社発表オッズを引用

スペインのグループリーグの突破オッズは1.11倍。これは同じグループEのドイツの1.14倍を凌ぐ倍率で、このグループの大本命と言えるでしょう。

▼GK
ウナイ・シモン(アスレチック・ビルバオ)
ロベルト・サンチェス(ブライトン)
ダビド・ラヤ(ブレントフォード)

▼DF
ウーゴ・ギジャモン(バレンシア)
パウ・トーレス(ビジャレアル)
ジョルディ・アルバ(バルセロナ)
エリック・ガルシア(バルセロナ)
ダニエル・カルバハル(R・マドリー)
セサル・アスピリクエタ(チェルシー)
エメリク・ラポルト(マンチェスター・C)
アレックス・バルデ(バルセロナ)

▼MF
ガビ(バルセロナ)
ペドリ(バルセロナ)
セルヒオ・ブスケツ(バルセロナ)
マルコス・ジョレンテ(A・マドリー)
コケ(A・マドリー)
カルロス・ソレール(パリSG)
ロドリ(マンチェスター・C)

▼FW
パブロ・サラビア(パリSG)
ダニ・オルモ(ライプツィヒ)
アルバロ・モラタ(A・マドリー)
マルコ・アセンシオ(R・マドリー)
フェラン・トーレス(バルセロナ)
アンス・ファティ(バルセロナ)
ジェレミ・ピノ(ビジャレアル)
ニコラス・ウィリアムス(アスレチック・ビルバオ)

 

スペインらしいスタイルで臨む優勝経験国

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スペイン代表を率いるのは元スペイン代表で、監督としてはFCバルセロナで2度のリーグ優勝と、UEFAチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げたルイス・エンリケです。試合を完全に支配したうえで勝ち切るアタッキングフットボールの信奉者です。

そんな指揮官に率いられたチームは、いかにもスペインといったスタイルを誇ります。ディフェンスラインからボールをしっかり動かしながらゲームの主導権を握って相手を翻弄し、ボールを失えばその瞬間から連動して敵のボールホルダーを囲い込むプレッシングを発動させます。

 

強みはタレント豊富な中盤。得点力には不安も

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チームの最大の強みは、ペドリ、ガビ(ともにバルセロナ)の台頭でタレント力が充実の一途をたどるミッドフィールドでしょう。中盤の底では稀代のプレーメーカー、セルヒオ・ブスケッツ(バルセロナ)が攻撃のタクトを振るい、インサイドハーフのペドリ、ガビとのFCバルセロナトリオで形成する中盤は、ボールを失うことを知りません。

しかも、ペドリは19歳、ガビは18歳というから驚きです。

さらに中盤には、アトレティコ・マドリードのゲームメーカーであるコケ、同じくA・マドリーで無尽蔵のスタミナと走力を誇るマルコス・ジョレンテ、マンチェスター・Cのプレーメーカーで、ブスケッツの後継者であるロドリらも控え、他国も羨む陣容を誇ります。

とはいえ、ウイークポイントがないわけではありません。タレントが豊富な中盤と比べ、アタッカーのコマ不足は否めないのです。センターフォワードのアルバロ・モラタは万能型のストライカーですが、勝負強さに欠ける印象があります。パブロ・サラビアは欧州予選8試合で4ゴールを奪ってチーム内得点王に輝きましたが、左ウイングの選手で、純粋な点取り屋というわけではありません。

得点力不足は歴代のスペイン代表に見る恒常的な課題で、今大会のチームもそこに問題を抱えているのです。

 

日本代表メンバー(7大会連続7回目)

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FIFAランク24位、今大会での優勝オッズは韓国、カメルーン、カタールと並んで24位タイとなる251.00倍です。日本代表として目標に掲げられているのはベスト8進出。そこに向けて強豪揃いのグループステージを戦うことになります。

前述の通り日本のグループステージ突破オッズは4.33倍で、グループ内では3番手の評価となっています。今大会の日本代表メンバー26名がこちら。

▼GK
1 川島永嗣(ストラスブール)
12 権田修一(清水)
23 シュミット・ダニエル(シントトロイデン)

▼DF
5 長友佑都(FC東京)
22 吉田麻也(シャルケ)
19 酒井宏樹(浦和)
3 谷口彰悟(川崎F)
2 山根視来(川崎F)
4 板倉滉(ボルシアMG)
16 冨安健洋(アーセナル)
26 伊藤洋輝(シュツットガルト)

▼MF/FW
7 柴崎岳(レガネス)
6 遠藤航(シュツットガルト)
14 伊東純也(スタッド・ランス)
18 浅野拓磨(ボーフム)
10 南野拓実(モナコ)
13 守田英正(スポルティング)
15 鎌田大地(フランクフルト)
24 相馬勇紀(名古屋)
9 三笘薫(ブライトン)
25 前田大然(セルティック)
8 堂安律(フライブルク)
21 上田綺世(セルクル・ブルージュ)
17 田中碧(デュッセルドルフ)
11 久保建英(ソシエダ)
20 町野修斗(湘南

 

日本のキーマンとなるのは鎌田、三笘、久保

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日本代表の中心選手は今季のアイントラハト・フランクフルトで公式戦12ゴールと好調を維持する鎌田大地でしょう。トップ下に入ることが予想されるこのミッドフィールダーは、フランクフルトのUEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出に大きく貢献し、最高の状態でW杯を迎えます。

イングランドのブライトンでプレーする三笘薫も日本の命運を握る重要なプレーヤーです。今季からプレーするプレミアリーグでは早くも得意のドリブルで屈強なディフェンダーを混乱に陥れ、11月上旬のウォルバーハンプトン戦、アーセナル戦で2試合連続ゴールをマーク。W杯では日本代表の切り札としての働きが期待されます。

スペイン代表のヤングスターがペドリやガビなら、日本代表のヤングスターは21歳の久保建英です。10歳のときにFCバルセロナの下部組織に加入し、14歳までプレー。帰国してFC東京の下部組織に加入し、15歳でトップチームに登録。18歳になるとスペインの名門、レアル・マドリードと契約を結びます。

その後、期限付き移籍でマジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェと渡り歩いたのちに今季、完全移籍したレアル・ソシエダで才能を開花させました。ドリブル、パスで違いを生み出せる非凡なアタッカーです。

一方、守備陣ではW杯4大会出場となる左サイドバックの長友佑都や、3大会目の出場でキャプテンを務めるセンターバックの吉田麻也が健在で、彼らベテラン勢が若い攻撃陣を支えます。

 

過去の対戦成績は1試合のみ、東京五輪では準決勝で対戦

日本代表とスペイン代表は過去に1試合しか対戦していません。それは2001年4月のこと。地元開催となる日韓W杯を1年後に控えたフィリップ・トルシエ監督率いる日本代表が敵地に乗り込んで対戦。ゲームはスペインが主導権を握り、日本が粘り強く守る構図で進み、後半に1点をもぎ取ったスペインが勝利しました。

スペイン戦の過去戦績
2001年4月 ● 0-1(A)

A代表ではありませんが、2012年のロンドン五輪では1-0で日本がスペインに勝利。さらに最近では2021年8月の東京オリンピックのベスト4で両国は対戦しています。

ここでもスペイン代表がボールを保持しながらゲームを進めましたが、日本代表も久保や堂安律が個人のクオリティを発揮して応戦。0-0のまま延長戦へともつれ込んだ激戦は、終了間際のマルコ・アセンシオ(カタールW杯のメンバーにも選出)の決勝ゴールで、スペイン代表が1-0と勝利しました。

森保一監督や久保、堂安、MF田中碧、DF冨安健洋といった東京五輪世代の選手たち、オーバーエイジでオリンピックに参加した吉田、遠藤航、酒井宏樹らにとっては、リベンジを懸けたゲームとなります。

 

スペインが主導権を握る展開の中、日本はカウンターでチャンスを

試合展開としては、過去の対戦のように従来のポゼッションサッカーを展開してくるスペインに対して、日本が全体の陣形をコンパクトに保って相手のパスワークの遮断を狙い、カウンターやショートカウンターを繰り出す構図になるでしょう。日本の堅守をスペインがどう切り崩すのか。日本がどこまで耐えられるか。

ただし、90分間ずっとスペインがペースを握ることはないでしょう。日本代表にはFW前田大然、FW浅野拓磨、MF伊東純也といったスピードが武器の選手が豊富に揃っています。さらに、稀代のドリブラーである三笘もいます。前がかりとなったスペイン代表の背後を突き、ゴールを脅かすようなチャンスを数回は作れるはずです。それを決め切れるかどうか。その決定力こそが勝負の分かれ目となるでしょう。

さらに、この試合はグループステージ第3戦となるため、ここまでの2試合の成績も結果に大きな影響を及ぼしそうです。たとえば、スペイン代表が2連勝を飾ってこの試合を迎えたら、主力を温存するかもしれません。そうすれば、日本代表が勝つ可能性が上がります。

日本とスペインのいずれも、この第3戦が決勝トーナメント進出を懸けたゲームとなれば、より白熱した内容になるでしょう。もし、日本がドイツとの初戦に勝利して勢いに乗っていれば、スペインと互角の戦いを繰り広げるかもしれません。

2018年のロシアW杯ではドイツが韓国に敗れ、グループステージ敗退を喫しています。何が起こるか分からない、何が起きてもおかしくない――それがW杯なのです。

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