最終節まで残り1ヶ月を切ったイングランド・プレミアリーグ。
マンチェスター・シティが首位を維持はしているものの、リヴァプールに追い上げを許している状況で、最後まで優勝の行方はわからなくなってきています。
ブックメーカーから発表されている優勝オッズをはじめ、残留争いや得点王争いなど各種オッズを参考に、最終盤に向けてのリーグ展望を西岡明彦氏に展望を聞きました。
取材・編集:永田淳(ブクサカ編集部)/取材日:2022年4月22日
プレミアリーグ優勝オッズ:マンチェスター・シティのプレミア連覇を予想
引用オッズはすべてウィリアムヒル社発表のもので、優勝オッズは日本時間2022年4月22日時点のものをご紹介しています。
順位 | 優勝オッズ | 開幕前オッズ | |
1 | マンチェスター・シティ | 1.44倍 | 1.67倍 |
2 | リヴァプール | 2.62倍 | 6.00倍 |
トップを走る2強については、シティの方が優位だと思っています。
残る6試合の中でシティにとって難しそうなのは第37節のウェストハム戦ぐらい。リヴァプールは第36節にトッテナム戦を残していることに加え、FAカップを勝ち上がっているので最終盤にチェルシーとの決勝が入ります。
チャンピオンズリーグについては両チーム同条件ですが、スケジュールを考慮するとリヴァプールは厳しいのではないかと考えています。
1月末時点の優勝オッズはシティ1.10倍、リヴァプール8.00倍だったようですが、それはリヴァプールが調子を上げてきているというより、シティがデ・ブライネの負傷や、相手にゴール前を固められた試合で崩せなかったことで勝点を落としている印象なので、それが影響しているのではないでしょうか。
リヴァプールは選手のローテーションができていて疲労が分散できていると思いますが、シティはここぞという時にはデ・ブライネ、ギュンドアン、ロドリ、マフレズ、フォーデン、べルナルド・シウバへの信頼度が高く、スターリングやジェズスとの信頼度の差がシーズン進むにつれて広がってきている印象です。
レギュラー組とサブ組のようになっているので、その差が大きいのはシティの方で、レギュラー依存が高いという部分は、懸念点ではあるかなと思います。
とはいえそれ以上にスケジュールが厳しいのはリヴァプールだと思うので、シティが優勝するだろうと思っています。
チャンピオンズリーグ出場権獲得オッズ(トップ4)はチェルシー、トッテナムまでか
トップ4オッズ | 勝点 | |
チェルシー | 1.02倍 | 62 |
トッテナム | 1.73倍 | 57 |
アーセナル | 2.10倍 | 57 |
マンチェスターU | 15.00倍 | 54 |
ウェストハム | 151.00倍 | 52 |
アーセナルがチェルシーとマンチェスターユナイテッドに連勝したのは意外でした。
終盤に入ってこの連勝は大きいですね。サカ、ウードゴア、エンケティア、スミスロウといった前線のタレントは若さゆえ怖いもの知らず、勢いでトップ4争いを乗り越えてしまうのではないかと感じるようになってきました。
トッテナムは2試合連続ノーゴールと苦しい状況で、レスター、リヴァプールと難しい相手との試合が続きます。カウンターアタックが特長のチームですが、プランBがないので守備ブロックを形成されてしまうとなかなか崩せないのが悩みの種です。
2チームの上にいるチェルシーは、勝ちきれない試合は出てくるかもしれませんが、順位に影響するほどのことはないと思います。
得失点差ではスパーズが+18で、アーセナルが+10とスパーズ優位です。この2チームは、下位チームが守ってきた時にどう崩していくかという時のアイデアが対照的です。
スパーズは奪ったら前の3人で素早く攻めるという形で、一方のアーセナルはボールを回しながら探していく形。しかし、アーセナルはボールを持っていても得点が不足している状況です。
ユナイテッドは、チームとして特に良くなっていくということはないかなと思います。
今の体制でアピールしても次の監督に評価されるわけでもありませんし、難しい状況だと思います。モチベーションがアップするのは、あくまで次の監督での指導がスタートしてからになると思います。その意味では、大きな変化もなく終盤に向かうと思います。
オッズ通りの降格予想:この位置が似合わないエヴァートンは回避、最後の一枠はバーンリーに
残留オッズ | 降格オッズ | |
ブレンドフォード | – | 251.00倍 |
リーズ | 1.03倍 | 11.00倍 |
エヴァートン | 1.33倍 | 3.25倍 |
バーンリー | 2.75倍 | 1.40倍 |
ワトフォード | 15.00倍 | 1.02倍 |
ノリッジ | 26.00倍 | 1.00倍 |
ワトフォードとノリッジ・シティは非常に厳しく、降格は決定的だと思います。3つ目はバーンリーが降格するのではないかと思っています。
エヴァートンはリヴァプール戦、チェルシー戦、アーセナル戦を残しているので対戦カードは厳しいですが、残留を争うライバルとなっているバーンリーに、この時期に勝点3を得られる試合があるかというと、考えにくい。
バーンリーは今季ここまで5勝しかしていなくて、32試合で勝点28しか積めておらず(※インタビュー実施後に6勝目を挙げ、勝点31に伸ばしています)、これまで5勝のチームが残り試合で3勝することは難しいでしょう。
ここまで13引き分けと得点力が乏しくて勝てていないので、1-0で勝つというプランしか目指せないと思うので、その意味でも難しいと思っています。
選手の顔ぶれを考えても、エヴァートンはこの位置にいるチームでもないと思いますし、リシャルリソンもいて得点を期待できるという意味でも、エヴァートンは残留できると予想します。
コロナウィルスの影響もあり、未消化試合も多くまだまだ不確定要素の多い今季のプレミアリーグを、あなたはどう予想しますか?ブックメーカーを使って、さらにプレミアリーグを楽しみましょう!