カタールワールドカップ2022 クロアチア代表の展望【内藤秀明】

カタールワールドカップ2022は日本時間11月21日(月)に開幕。12月19日(月)の決勝戦まで約1ヶ月間に渡って戦いが繰り広げられます。

前回大会準優勝、初のファイナリストとなったクロアチアの展望をプレミアパブでお馴染み、内藤秀明さんに占っていただきました。

内藤秀明

1990年生まれ。大阪府箕面市出身。大学時代に1年間イギリスに留学し、FAコーチングライセンスを取得。現在はプレミアリーグを語るコミュニティ「プレミアパブ」代表としてイベントの企画運営や司会を行ってるほか、サッカーライター、Winner’s戦術分析官など、様々な活動をしている。

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カタールワールドカップ2022 クロアチア代表の試合日程と放送予定

クロアチア代表のカタールワールドカップ本大会での試合スケジュールがこちら。いずれも日本時間での日程、放送予定です。

日時対戦国放送予定
11月23日(水)
19:00
モロッコフジテレビ
abema TV
11月27日(日)
1:00
カナダNHK総合
abema TV
12月1日(木)
0:00
ベルギーNHK総合
abema TV

 

ブックメーカー発表オッズの優勝オッズは51.00倍

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海外ブックメーカー・WilliamHILL(ウィリアムヒル)社が発表している「クロアチア代表の敗退ステージオッズ」は以下の通りです。

WilliamHill(ウィリアムヒル)のロゴ

GL敗退2.37倍
 ベスト16敗退2.37倍
 ベスト8敗退6.00倍
 ベスト4敗退13.00倍
 準優勝26.00倍
 優勝51.00倍

※ 2022年11月17日時点でのウィリアムヒル発表オッズを引用 

クロアチアは前回大会で周囲の予想に反して準優勝という大躍進を遂げており、引き続き指揮を執るズラトコ・ダリッチが率いるチームには2大会連続での上位進出の期待がかかります。

昨年夏の欧州選手権ではベスト16で敗退しており、結果が出ずに苦しんだ時期もありましたが、直近のUEFAネーションズリーグでは4連勝とW杯に向けて調子を上げています。

何年も4-2-3-1のシステムを使い続けており、ボールを保持し、技巧派の選手達によるコンビネーションでの崩しを得意としています。またボールを失った際には素早くプレスをかけて、ボールを取り返しにいくアグレッシブさが見られます。

チームの絶対的な中心選手はルカ・モドリッチ(レアル・マドリード)です。

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37歳になりますが年齢的な衰えは全く見られず、卓越した技術とプレービジョンを用いて攻撃の全権を握ります。

中盤には他にも

  • マテオ・コバチッチ(チェルシー)
  • マルセロ・ブロゾビッチ(インテル)
  • マリオ・パシャリッチ(アタランタ)

らワールドクラスの実力者が揃っており、質、量ともに列強国に匹敵するレベルです。

ブックメーカー・ウィリアムヒルの優勝オッズは51.00倍で、デンマークの29.00倍に次いで、ウルグアイの41.00倍と並ぶ全体11位に位置づけられており、あくまでもダークホースの域を出ません。

2020年の欧州選手権であまり良い結果を出せなかったことや、イバン・ラキティッチ、マリオ・マンジュキッチ、ダニエル・スバシッチといった2018年の準優勝メンバーが代表を離れていることからも、この位置づけは妥当なものだと言えます。

とはいえ、ロブレ・マイェル(スタッド・レンヌ)やヨシュコ・グバルディオル(ライプツィヒ)といった新世代のスター候補達も徐々に現れています。

ベテランと若手の融合が上手くいった際には2018年のチームを超える可能性もある高いポテンシャルを、この代表チームは秘めています。

 

順当に行けばベスト16進出の見通しは明るい

クロアチアが所属するグループFの予選通過オッズがこちら。

ベルギー1.14倍
 クロアチア1.50倍
モロッコ3.00倍
カナダ3.75倍

※ 2022年11月17日時点でのWilliamHILL社発表オッズを引用

列強国と比較すると全体的な選手層には欠けるものの、局所局所で世界トップクラスと渡り合えるクオリティを持っていることはクロアチアのストロングポイントです。特に中盤のクオリティは高く、どのような相手に対してもある程度ボールを握ることができます。

ブックメーカーのウィリアムヒルにおけるF組の突破予想はベルギーの1.14倍に次ぐ1.50倍となっており、グループステージ突破が有力視されています。

ベルギー、クロアチアとモロッコ、カナダのオッズの差を見るにF組は典型的な2強2弱の組み合わせだと認識されていることが分かります。

 

初戦・モロッコ戦

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ウィリアムヒル社発表の90分勝敗オッズがこちら。

  • モロッコ:4.33倍
  • ドロー:3.10倍
  • クロアチア:1.95倍

過去の対戦成績は1度のみ、PK戦での勝利だけです。

モロッコ戦の過去戦績
1996年12月△ 2-2(9-8 PK戦)
(A)

W杯において初戦は非常に重要ですが、相手はグループリーグ突破オッズ3.00倍のモロッコです。過去の対戦は1996年にまで遡るため、未知数の相手ではありますが勝利して確実に勝点3を手にしたいところです。

モロッコは近年力を付けているアフリカの強豪国で、前回大会に続いてのW杯出場となります。前回大会では、現在サウジアラビアを率いているエルヴェ・ルナールが指揮を執っており、ボールテクニックの高い選手達による個人技と美しいパスワークによって観客を魅了する美しいサッカーを展開していました。

結果はグループステージ最下位での敗退でしたが、大会を見たサッカーファンの記憶に残るチームだったと言えるでしょう。

現代表チームは数ヶ月前まで日本でも指揮を執ったヴァヒド・ハリルホジッチが率いていました。しかし、複数人の主力選手との衝突が原因となって解任されています。

後任には母国リーグで結果を残したワリド・レグラギが就任し、ハリルホジッチ監督と衝突して追放されていた選手達も代表復帰を果たしています。

  • ハキム・ツィエク(チェルシー)
  • ノゼア・マズラウィ(バイエルン)
  • アクラフ・ハキミ(PSG)

といった欧州で活躍する選手達が揃っており、厄介なチームであることは間違いありません。

ブックメーカーのウィリアムヒルではクロアチアの勝利が1.95倍、モロッコが4.33倍となっており、クロアチア優勢という味方が多数ですが油断は禁物です。ボールをある程度握りたいチーム同士の戦いとなるため、ボールを巡る中盤の攻防に注目が集まります。

 

第2戦:カナダ戦

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ウィリアムヒル社発表の90分勝敗オッズがこちら。過去の対戦成績はありません。

  • クロアチア:1.80倍
  • ドロー:3.60倍
  • カナダ:4.50倍

2試合目の相手であるカナダは、W杯ベスト16常連のメキシコや勢いのある若手が数多く存在するアメリカ合衆国を抑え、北中米カリブ予選を1位通過してきたチームになります。

圧倒的なスピードを持つSBとして知られるアルフォンソ・デイビス(バイエルン)や高い決定力を持つジョナサン・デイビッド(リール)のような欧州で活躍する選手も複数いるため、侮れない存在です。

ブックメーカーのウィリアムヒルではクロアチアの勝利が1.80倍、カナダ勝利が4.50倍となっており、クロアチア優勢という見方が多数となっています。

対戦経験が一度もない未知数の相手ではありますが、3試合目が強豪ベルギーということを考えるとカナダ相手に勝利し、勝点3を手に入れてグループステージ突破を確実なものとするのが望ましいでしょう。

 

第3戦:ベルギー戦

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ウィリアムヒル社発表の90分勝敗オッズがこちら。

  • クロアチア:3.25倍
  • ドロー:3.40倍
  • ベルギー:2.30倍

過去の対戦成績はクロアチアの3勝3敗2分です。

ベルギー戦の過去戦績
(以下、直近4試合の戦績)

2010年3月○ 1-0(A)
2012年9月△ 1-1(A)
 2013年10月● 1-2(H)
 2021年6月● 0-1(A)

3試合目の相手であるベルギーは欧州屈指の強豪国で、前回大会では3位という好成績を残しています。前回大会と変わらずロベルト・マルティネスが指揮を執っており、攻撃のタレントを存分に生かしたショートカウンターを主体としてサッカーを継続しています。

現在のベルギーには不安要素がいくつかあります。

まず、主力選手の引退、高齢化といった問題です。代表的なのが最終ラインでヴァンサン・コンパニが引退し、30代中盤を迎えたトビー・アルデルヴァイレルト(ロイヤル・アントワープ)とヤン・ヴェルトンゲン(アンデルレヒト)が今もスタメンを張っています。

もう一つが、主力選手のコンディション不良です。エースストライカーのロメル・ルカク(インテル)が負傷中で、エデン・アザール(レアル・マドリード)もクラブで出場機会を得られていません。このようにベルギーも盤石ではないため、付け入る隙は十分にありそうです。

それまでの2試合の結果がプランに大きく影響するため、現時点で予想するのは困難ですが、既に2勝しているチームに関しては先を見据えてターンオーバーして臨む可能性が高いと思われます。両者共に突破を決めている場合、前回大会G組のイングランド対ベルギーの試合のような展開になるかもしれません。

 

決勝トーナメントに進出した場合の組み合わせ

無事にクロアチアがF組を突破した場合、ラウンド16の相手はE組の1位か2位となります。E組の顔ぶれがこちら。

  • スペイン
  • ドイツ
  • 日本
  • コスタリカ

1位本命はドイツかスペインですが、世界にも通用するタレントを揃えており、前回大会でも下馬評を覆してグループステージ突破を果たした実績を持つ日本にも可能性があります。

コスタリカは下馬評では4番手と見られていますが、2014年の大会ではウルグアイ、イタリア、イングランドに囲まれた死の組を1位通過した実績を持っており、堅守速攻を徹底することができれば突破の可能性は十分に存在します。

当然クロアチアとしてはこの段階でドイツ、スペインと当たるのは避けたいところですが、ドイツ、スペインが1、2位で順当に突破した場合には必ずどちらかのチームと当たることになります。

クロアチアが行うべきは可能な限りF組の1位通過を狙い、日本またはコスタリカが2位通過した場合にベスト16で当たれる状態をつくるといったことになるでしょう。

そこから先は勝ち上がってくる国が読めませんが、今大会は事前合宿の期間が短いため、大会中にチームの完成度を上げる必要があります。クロアチアは現時点でも完成度の高いチームの一つではありますが、大会期間中に更なる成長を果たすことが、2大会連続での上位進出の鍵となってきます。

クロアチアがどれだけチームとしてまとまりを見せることができるのか非常に楽しみです。

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