カタールワールドカップ2022 イングランド代表の展望【内藤秀明】 | ブクサカ

カタールワールドカップ2022 イングランド代表の展望【内藤秀明】

カタールワールドカップ2022は日本時間11月21日(月)に開幕。12月19日(月)の決勝戦まで約1ヶ月間に渡って戦いが繰り広げられます。

前回大会ベスト4、EURO2020準優勝とメジャー大会で勢いを放つイングランド代表について、プレミアパブでお馴染み、内藤秀明さんに占っていただきました。

内藤秀明

1990年生まれ。大阪府箕面市出身。大学時代に1年間イギリスに留学し、FAコーチングライセンスを取得。現在はプレミアリーグを語るコミュニティ「プレミアパブ」代表としてイベントの企画運営や司会を行ってるほか、サッカーライター、Winner’s戦術分析官など、様々な活動をしている。

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カタールワールドカップ2022 イングランド代表の試合日程と放送予定

イングランド代表のカタールワールドカップ本大会での試合スケジュールがこちら。いずれも日本時間での日程、放送予定です。

日時 対戦国 放送予定
11月21日(月)
22:00
イラン NHK総合
abema TV
11月25日(金)
4:00
アメリカ合衆国 NHK総合
abema TV
11月29日(火)
4:00
ウェールズ abema TV

 

ブックメーカー発表オッズの優勝オッズは8.00倍

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海外ブックメーカー・WilliamHILL(ウィリアムヒル)社が発表している「イングランド代表の敗退ステージオッズ」が以下の通りです。

WilliamHill(ウィリアムヒル)のロゴ

GL敗退 7.00倍
 ベスト16敗退 3.50倍
 ベスト8敗退 3.00倍
 ベスト4敗退 5.50倍
 準優勝 9.00倍
 優勝 8.00倍

※ 2022年11月17日時点でのウィリアムヒル発表オッズを引用 

前回大会ではベスト4に進出し、引き続きガレス・サウスゲートが指揮するチームには1966年以来の優勝という期待がかかります。昨年夏の欧州選手権では決勝に進出。惜しくもPK戦で敗れ、準優勝という結果になりましたが、チームとしての成長を見せつけました。

直近のUEFAネーションズリーグでは不調ですが、各ポジションにタレントが揃っており、戦力は大会でも最上位に位置づけられます。

3‐4‐3のシステムを採用しており、基本的にはリスクを取らない堅実なサッカースタイルが特徴的です。前線は世界トップクラスのCFであるハリー・ケイン(トッテナム)を中心に、

  • ジャック・グリーリッシュ(マンチェスター・C)
  • ラヒーム・スターリング(チェルシー)
  • フィル・フォーデン(マンチェスター・C)
  • ブカヨ・サカ(アーセナル)

らを組み合わせる形となっており、誰が出てもクオリティを落とすことはありません。ブックメーカー・ウィリアムヒルの優勝オッズは8.00倍で、フランスと並ぶ全体3位に位置づけられており、優勝候補の一角として見なされています。

ただ、錚々たる面々が並ぶ前線と比べて、最終ラインには不安要素もあります。欠場の可能性があったカイル・ウォーカー(マンチェスター・C)はメンバー入りを果たしましたが、

  • リース・ジェームズ(チェルシー)
  • ベン・チルウェル(チェルシー)

らが負傷によって欠場。CBの軸として期待されるハリー・マグワイア(マンチェスター・U)も昨季からの不調を引きずっています。

とはいえ、中盤には圧倒的な守備力を誇るデクラン・ライス(ウェストハム)が君臨し、さらに今季序盤戦を欠場していたカルビン・フィリップス(マンチェスター・C)が大会に間に合ったことは朗報です。

また、正守護神を務めるジョーダン・ピックフォードはW杯や欧州選手権のような大舞台でビッグセーブを連発するお祭り男であるため、多少の守備の粗があっても簡単に失点する可能性は高くないでしょう。

 

グループリーグは視界良好だがバトル・オブ・ブリテンには要注意

イングランドが所属するグループBの予選通過オッズがこちら。

イングランド 1.08倍
 アメリカ合衆国 2.00倍
ウェールズ 2.20倍
イラン 4.00倍

※ 2022年11月16日時点でのWilliamHILL社発表オッズを引用

各所にビッグクラブでプレーするタレントが揃い、誰が出ても一定のクオリティを期待できる戦力の厚さはイングランドの強みです。特に中盤から前にはレギュラー級が数多く存在しており、選手の個の力で無理矢理得点を奪うことができます。

ブックメーカーのウィリアムヒルにおけるD組の突破予想が1.08倍と圧倒的であるのも頷けます。ただ、ウェールズは因縁のライバルであり、イングランド戦に臨むモチベーションが高いと思われるため注意が必要です。

 

初戦・イラン戦

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ウィリアムヒル社発表の90分勝敗オッズがこちら。過去の対戦成績はありません。

  • イングランド:1.35倍
  • ドロー:4.40倍
  • イラン:11.00倍

W杯において初戦は非常に重要ですが、相手はグループリーグ突破オッズ4.00倍のイランです。過去に対戦したことが一度もなく、未知数の相手ではありますが勝利して確実に勝ち点3を手にしたいところです。

イランはアジア最終予選のAグループを首位通過しており、FIFAランキングでもアジアトップの20位に位置するなどアジア屈指の強豪国です。

2018年大会では、かつてレアル・マドリードを率いたこともある名将カルロス・ケイロスが指揮を執り、スペイン、ポルトガルといった強豪国と同組ながら、大いにこの2チームを苦しめました。

スペインには一歩及ばず1-0で敗れましたが、ポルトガル相手には1‐1のドローという結果で勝ち点1を拾っています。またモロッコには勝利しており、勝点4の3位と健闘を見せました。

前回大会と同じく、今大会もイランを率いているのはケイロスです。2019年に一度はイラン代表から離れたケイロスですが、今年9月に電撃復帰を果たしました。大事な初戦かつ格上相手ということもあり、特に入念な準備をしてくるのは間違いないでしょう。スコアレスが続く膠着した展開になることも十分に予想されます。

一方でイラン代表のエースストライカーであるセルダル・アズムン(レヴァークーゼン)が所属クラブでスランプに陥っており攻撃力は落ちていると見て良いでしょう。イングランドが相手のブロックをこじ開けられるかがポイントになりそうです。

ファーストゴールを誰が決めるのかも注目ポイントです。

エースのケインはもちろん、

  • スターリング
  • フォーデン
  • サカ

など高い得点力を持つアタッカーが揃っています。また、

  • メイソン・マウント(チェルシー)
  • ジュード・ベリンガム(ドルトムント)

ら2列目からの飛び出しを得意とするMFの存在もあります。また、意外にもセットプレーの名手であるキーラン・トリッピアー(ニューカッスル)がFKを決めるといったパターンもあり得るかもしれません。

 

第2戦:アメリカ合衆国戦

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ウィリアムヒル発表の90分勝敗オッズがこちら。

  • イングランド:1.61倍
  • ドロー:3.75倍
  • アメリカ合衆国:5.80倍

過去の対戦成績はイングランドの8勝2敗1分です。

アメリカ合衆国戦の過去戦績
(以下、直近4試合の戦績)

2005年5月 ○ 2-1(A)
 2008年5月 ○ 2-0(H)
 2010年6月 △ 1-1(H)
 2018年11月 ○ 3-0(H)

2試合目の相手であるアメリカ合衆国は平均年齢が25歳175日という非常に若い代表チームです。エースのクリスティアン・プリシッチ(チェルシー)を筆頭に、

  • ジョバンニ・レイナ(ドルトムント)
  • ブレンデン・アーロンソン(リーズ)

など若くして欧州5大リーグで活躍する選手が多く、世界でもトップクラスに勢いのあることで知られています。

ブックメーカーのウィリアムヒルではイングランドの勝利が1.61倍、アメリカ勝利が5.80倍となっており、イングランド優勢という見方が多数ですが油断は禁物です。

アメリカはグループリーグ突破オッズが2.00倍であり、これはウェールズより上のグループ内2位の数字。初戦でアメリカはウェールズと当たるため、仮にウェールズに敗北したとなれば死に物狂いでイングランド相手に勝利を掴みにくるでしょう。

イングランドとしては決勝まで7試合を戦うことを想定すれば、3試合目は主力を休ませて、控えのメンバー主体で戦いたいところです。

また3試合目がウェールズとのライバル対決であるため、尚更2試合で突破を確定させたいと思われます。そのためには確実にアメリカ戦に勝利する必要があるため、ドローで終わる可能性はそこまで高くないのではないでしょうか。

 

第3戦:ウェールズ戦

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ウィリアムヒル社発表の90分勝敗オッズがこちら。

  • ウェールズ:6.50倍
  • ドロー:3.60倍
  • イングランド:1.63倍

過去の対戦成績はイングランドの68勝14敗21分です(対戦多い!!)

ウェールズ戦の過去戦績
(以下、直近4試合の戦績)

2011年3月 ○ 0-2(A)
2011年6月 ○ 1-0(H)
 2016年6月 ○ 2-1(H)
 2020年10月 ○ 3-0(H)

3試合目の相手であるウェールズは、イングランドと同じくイギリスを構成する国の一つであり、因縁のライバルです。近年のウェールズは2016年の欧州選手権でベスト4、2020年はベスト16と国際大会で結果を出しています。

堅守速攻を持ち味としており、ベイルとアーロン・ラムジー(ニース)を中心としたカウンターには注意する必要があります。

ブックメーカーのウィリアムヒルではイングランドの勝利が1.63倍、ウェールズ勝利が6.50倍となっていますが、これはウェールズが直近のUEFAネーションズリーグで1分5敗と苦しんでいることが影響しているのではないかと考えられます。

とはいえ伝統のライバルとの一戦は選手のモチベーションも上がることを踏まえると、イングランドが簡単に勝利するとは限りません。先のことも考えると2戦目までに突破を決め、3戦目は控えの選手中心で戦いたいところです。

 

決勝トーナメントに進出した場合の組み合わせ

無事にイングランドがB組を突破した場合、ラウンド16の相手は開催国カタールが所属するA組の1位か2位となります。1位の本命はオランダと想定できますが、アフリカ王者のセネガル、過酷な南米予選を勝ち上がってきたエクアドルも有力です。

開催国のカタールは下馬評では4番手と見られていますが、戦術的にも優れた良いチームであることは間違いありません。気候を知り尽くしているといったアドバンテージや欧州勢より長く合宿を行っているといった部分を活かせば突破の可能性は十二分に存在します。

イングランドとしてはこの段階でオランダと当たるのは避けたいところですが、大エースのサディオ・マネ(バイエルン)の状態に不安はあるものの他にもタレントの揃うセネガル、組織力に優れたエクアドル、カタールといったダークホースになり得るチームの存在を考えるとオランダが2位で突破する可能性も頭に入れなければなりません。

イングランドが行うべきは可能な限りB組の1位通過を狙い、オランダがA組の2位になった場合は仕方ないといったスタンスでしょう。

そこから先は勝ち上がってくる国が読めませんが、今大会は事前合宿の期間が短いため、大会中にチームの完成度を上げる必要があります。サウスゲートはこのような戦い方を得意としており、前回大会、2020年の欧州選手権共に大会中にチームの最適解を見つけています。

イングランドのタレント力がフルに発揮されるシステムが完成した時、どれだけの強さを誇ることになるのか非常に楽しみです。

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