2022-23シーズンのUEFAヨーロッパリーグが2月16日のプレーオフから再開します。ここではチャンピオンズリーグのグループ3位とヨーロッパリーグのグループ2位が対戦。カタールW杯を挟んで好不調のチームが分かれている中で、どういった戦いが展開されるのか。今回も中継実況を務める西岡明彦氏に展望を語っていただきました。
海外ブックメーカー発表/ヨーロッパリーグ優勝オッズ
WilliamHill(ウィリアムヒル)社発表、プレーオフ直前のUEFAヨーロッパリーグ優勝オッズがこちらです。
オッズ順 | チーム名 | オッズ |
1 | アーセナル | 5.00倍 |
2 | バルセロナ | 5.50倍 |
3 | マンチェスター・U | 8.00倍 |
4 | ユヴェントス | 11.00倍 |
5 | アヤックス | 13.00倍 |
6 | レアル・ソシエダ | 15.00倍 |
ベティス | 15.00倍 | |
8 | ローマ | 21.00倍 |
フライブルク | 21.00倍 | |
セビージャ | 21.00倍 | |
11 | レヴァークーゼン | 29.00倍 |
12 | ザルツブルク | 34.00倍 |
スポルティング | 34.00倍 | |
レンヌ | 34.00倍 | |
PSV | 34.00倍 | |
16 | フェネルバフチェ | 51.00倍 |
ウニオン・ベルリン | 51.00倍 | |
フェイエノールト | 51.00倍 | |
シャフタール・ドネツク | 51.00倍 | |
モナコ | 51.00倍 | |
21 | ユニオン・サンジロワーズ | 101.00倍 |
22 | ミッティラン | 151.00倍 |
23 | フェレンツヴァーロシュ | 201.00倍 |
ナント | 201.00倍 |
※オッズは2023年2月16日時点のWilliamHill公式サイトから引用
優勝は4強による争いと考え、マンチェスター・Uが制すると予想
優勝は、バルセロナ対マンチェスター・Uの勝者になると予想します。
オッズ1位のアーセナルはプレミアリーグ優勝がかかっているので、その意味でこのヨーロッパリーグ優勝には少し疑問があります。2つを狙いにいくのは難しいのではないかと。
ヨーロッパリーグに力を入れることで、週末の国内の試合を落としてしまうわけにはいかないでしょう。その分、冨安健洋にはチャンスがあると思いますが。
グループステージ1位で待っているチームでは、久保建英のソシエダあたりも気になりますが、やはりバルサとユナイテッドのどちらかになると考えています。
アヤックス vs ウニオン・ベルリン
アヤックス | 1.80倍 |
ドロー | 3.50倍 |
ウニオン・ベルリン | 4.50倍 |
将来が期待される若いアヤックス相手にウニオン・ベルリンがハードワークで食い下がり、オッズ通りではない接戦となるのではないでしょうか。
アヤックスはブリントがバイエルンへ移籍してゴタゴタがあるような話も聞きますが、若手選手をどう伸ばして注目させて、ビッグクラブへ送り出すクラブというところは変わりません。次々に魅力的なタレントが出てくるので、そういったタレントの見せ場として楽しみです。
ウニオン・ベルリンはブンデスリーガの中では今季のサプライズ的な存在になっています。
個に頼らない、ハードワークが売りのチームです。中盤で奪って素早く攻める。目立つタレントがいるというわけではないですが、しっかり頑張る印象です。ヘルタ・ベルリンより圧倒的に予算規模では劣るのに、1月のベルリンダービーで勝利し、上位にも割って入っています。
得点が多いわけではありませんが、粘り強く戦って接戦をモノにしています。そういった戦い方だけに、ヨーロッパリーグまでパワーが残っているのかというのは気になるところです。
バルセロナ vs マンチェスター・U
バルセロナ | 1.70倍 |
ドロー | 4.00倍 |
マンチェスター・U | 2.60倍 |
バルサは今勢いがありますね。グループステージでは散々だったのに(苦笑)。ようやくシャビ監督らしさが出てきたのかなと思います。
メンバーや戦い方が大きく変わったわけではないので、シーズン最初が良くなかったということだと思います。今はボールが持てる、破壊力もある、勝負強くもある。チャンピオンズリーグではうまくいかなかったところが、このヨーロッパリーグで出せるかどうか。
マンチェスター・Uが相手になるので気持ちは入ると思いますが、ヨーロッパリーグということで気持ちが落ちることになれば、足元をすくわれる可能性もあると思います。
マンチェスター・Uも今は良いですよ。エリクセンがケガしてしまったので、そこをどうするかは気になるところですが。エリクセンがすごく機能していただけに、中央の選手が変わることの影響は不安なところではあります。
それでも他のメンバーの状態は良いし、テン・ハフ監督のやり方と元々ユナイテッドが持っていたポテンシャルがようやくハマってきたと感じています。
当初は指揮官がボールを保持するスタイルに囚われていましたが、速い、走れる選手の特長をうまく融合させるサッカーになってきたと思います。今は速い攻撃が結果につながっています。
上り調子のチーム同士の対戦となるので、見応えのあるものになると思います。
ザルツブルク vs ローマ
ザルツブルク | 2.80倍 |
ドロー | 3.25倍 |
ローマ | 2.50倍 |
この試合はローマが勝つと予想します。
ローマはモウリーニョのサッカーなので、点をたくさん取るというよりは競った試合が多くなる印象です。前線がエイブラハムやディバラということを考慮しても、得点力というところは少し物足りないとは思っているので、この試合も僅差にはなるのではないでしょうか。
とはいえ、ザルツブルクとの対戦ということを考慮すると、ローマが有利に進めると思います。
シャフタール・ドネツク vs レンヌ
シャフタール・ドネツク | 3.10倍 |
ドロー | 3.40倍 |
レンヌ | 2.25倍 |
この試合はドローと予想します。
シャフタールは、冬の市場で注目を集めていたムドリクのチェルシー移籍が決定。これによる戦力ダウンは否めないでしょう。
一方のレンヌは今季のリーグアン23試合で28失点とディフェンスに不安があり、7敗と負け数が多いです。直近2試合もリール、トゥールーズ相手にそれぞれ1−3で連敗しており、良い状態で入れるわけではなさそうです。
お互いが得点を決めての引き分けになるのではないでしょうか。
レヴァークーゼン vs モナコ
レヴァークーゼン | 1.80倍 |
ドロー | 3.75倍 |
モナコ | 4.20倍 |
レヴァークーゼンは縦に速いサッカーを志向するチームですが、実況した試合ではコンパクトさに欠ける内容だったので、そのイメージが残っています。
シーズン途中にシャビ・アロンソ監督になって、新しいチームづくりをしたいけど、まだうまくいっていない印象がありました。彼の現役時代のようなボールを握るスタイルをしたいのか、レヴァークーゼンが元々持っているカウンタースタイルを継続するのかがなかなか見えませんでした。
とはいえ、サイドにはフリンポン、バッカーがいて、前にはヴィルツがいる戦力を考えれば、オッズ通りレヴァークーゼンが優位に進めると思います。モナコは南野にチャンスが与えられることもありそうなので、彼のプレーも楽しみにしたいと思います。
ユヴェントス vs ナント
ユヴェントス | 1.35倍 |
ドロー | 4.75倍 |
ナント | 9.50倍 |
オッズ通りユヴェントスが勝つとは思います。ただ、ユーヴェはセリエAで勝点を剥奪されて、ここからの戦いがどうなるのか、難しいところがあるでしょう。
メンバーはまずまずですが、国内ではナポリに1−5で敗れたり、ホームでモンツァに厳しい内容で0-2で完敗するなど今年に入ってからも安定はしていません。悩ましい現状をどう打開するのか。
勝点剥奪によりトップ4が難しくなった今、ヨーロッパリーグを制覇してチャンピオンズリーグの出場権を得るという目標はあると思うので、そこを目指す戦いになると思います。
セビージャ vs PSV
セビージャ | 2.30倍 |
ドロー | 3.40倍 |
PSV | 3.00倍 |
セビージャはこのヨーロッパリーグに強い印象がありますが、最近はうまくいっていないですね。ラ・リーガでは6勝6分9敗と苦しんでいます。無名の新人を連れてきて、その選手が活躍するチームですが、ここまではうまくいっていません。
ロペテギ監督が解任されて、その後も持ち直せていない状況なので、これまでのような今大会への強さを示すのは簡単ではないでしょう。オッズではPSVより優位と見られているセビージャですが、接戦でのドローと予想します。
スポルティング vs ミッティラン
スポルディング | 1.33倍 |
ドロー | 5.00倍 |
ミッティラン | 9.00倍 |
この試合はオッズ通りスポルティング勝利を予想します。
若いながら良いチームをつくると評価され、プレミアリーグに引き抜かれる噂もあったアモリム監督が率いるスポルティングが堅実な戦いを見せると思います。
中心選手としてプレーし、ウガルテとも良いコンビだった守田英正が負傷によりこの試合を欠場しそうなのは残念ですが、前線にはイングランドのマーカス・エドワーズもいるので、そこは期待できそうです。
昨季のフランクフルトのように、スポルティングにはこのタイトルを狙いにいく戦いを見せてもらいたいと思っています。