UEFAヨーロッパリーグの準決勝進出チームが決まり、ブックメーカーから1stレグの勝敗オッズ、決勝進出オッズと優勝オッズが発表されています。
ライプツィヒ、レンジャーズ、ウェストハム、フランクフルトが残っている今季のヨーロッパリーグの優勝展望について、今回も西岡明彦氏に展望を聞きました。
取材・編集:永田淳(ブクサカ編集部)/取材日:2022年4月22日
ヨーロッパリーグ優勝オッズ:縦への速さに注目の展開を制すのは、シーズン途中の監督交代で調子を上げている優勝はライプツィヒと予想
海外ブックメーカー、ウィリアムヒル社が発表しているUEFAヨーロッパリーグの優勝予想オッズを紹介します。このオッズをもとに、西岡氏に予想を伺いました。
チーム名 | 優勝オッズ | |
1 | ライプツィヒ | 2.10倍 |
2 | ウェストハム | 2.75倍 |
3 | フランクフルト | 6.50倍 |
4 | レンジャーズ | 7.50倍 |
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最新版オッズ
⇒ UEFAヨーロッパリーグ|WilliamHill
優勝予想は圧倒的にライプツィヒです。
今シーズン当初はマーシュ監督が新しいことをやろうとしたけどうまくハマらず、結果も出ませんでした。サイドから攻撃をしようとしていたが、そういったタレントがいなかったことも影響したと思います。
12月にテデスコ監督になって、中央で縦に速い攻撃をもう一度選手たちに思い出させ、そこにデテスコの色が加わり以前のやり方に戻った印象です。
今年に入ってからはバイエルン戦での1敗しかしていなくて、成績は相当良く、半年遅れで自分たちの自信を取り戻した状態だと思います。
前線のタレント、特にエンクンクは強烈で、彼とその周りの関係性もすごく良い。高い位置でボールを奪って素早く攻めるというのは、ライプツィヒがもともと持っている特長なので、そこで仕事のできる選手が揃っているこのチームが決勝に進んでタイトルまで獲得するのではないでしょうか。
シーズン最初からこの体制だったら、ELではなくCLでも良いところまでいっていたと思いますし、ブンデスリーガでも優勝争いをしていたのではないかと思います。それぐらいのチームだと思っています。
ウェストハムとは拮抗するとは思います。
ウェストハムには身体が強いセンターバックもいますし、ある程度戦える。ただ、攻撃のクオリティ、アイデアではライプツィヒが上回っています。
エンクンクがいるチームといないチームではその差は仕方ないですし、ウェストハムにはランシーニがいますがエンクンクと比べると少し物足りないですね。エンクンクは、チャンスメイクもできてゴールも決められる、デ・ブライネ級の選手です。
トップでもトップ下でも高いレベルの仕事ができて、ビッグクラブに引き抜かれる実力をここでも見せてもらいたいと思います。
近年はスペイン勢が強かったヨーロッパリーグですが、ライプツィヒ、ウェストハムといった縦に速い特徴を持ったチームが勝ち上がっていて、チャンピオンズリーグとは違った色が出ているので、そのあたりを楽しみに観てもおもしろいのではないでしょうか。
EL準決勝 ライプツィヒ vs レンジャーズ戦オッズ
1st 勝敗 | 決勝進出 | |
ライプツィヒ | 1.36倍 | 1.25倍 |
ドロー | 4.75倍 | ー |
レンジャーズ | 8.50倍 | 3.75倍 |
ライプツィヒはホームの1戦目で勝負を決めにかかるような戦いをしてくるのではないかと思います。
国内リーグでの優勝はなくなっているので、来季のUEFAチャンピオンズリーグの出場権だけ獲得できる4位に入ることを重要と考えれば、この戦いに集中でき、準備を整えられるというのは大きいと思います。
オッズでも示されているように、レンジャーズとは圧倒的と言える差があると思っています。
EL準決勝 ウェストハム vs フランクフルト戦オッズ
1st 勝敗 | 決勝進出 | |
ウェストハム | 1.85倍 | 1.44倍 |
ドロー | 3.50倍 | ー |
フランクフルト | 4.20倍 | 2.62倍 |
この試合はウェストハム優位だと思っています。
フランクフルトは自分たちでゲームをコントロールできるチームではなくて、相手が持っているボールを奪って素早く攻める堅守速攻スタイルなので、バルセロナのようにポゼッションしている相手にはハマることもあります。
しかしブンデスリーガの下位チームとの試合で、相手に引いてブロックをつくって守られると、自分たちで崩すアイデアはそんなにありません。
相手が前に出てきてくれた方がやりやすいチームでしょう。左からコスティッチが仕掛けてクロスを入れたり、前から奪いに行ってヴォレがガンガン動いて奪いに行くことで良い形をつくることができるかどうか。
自分たちで保持して崩していくイメージはあまりないので、そのあたりが注目ポイントですが、今回の相手のウェストハムは、自分たちでボールを持つ相手ではないので、フランクフルトにとっては難しい相手ではないかなと思っています。
一方のウェストハムは、フィジカルとセットプレーに強みがあります。
前線にアントニオという強力な選手がいて、イングランドスタイルでガンガン攻めるタイプのチームですね。フランクフルト同様、ゆっくりボールを持つタイプでもないので、こちらもカウンターやセットプレーの強さが出せるかどうかになるでしょう。
フランクフルトとの試合ではカウンター対カウンターの展開も予想されますが、カウンターの質で言えばウェストハムのほうが上だと思います。