24-25 セリエA優勝予想オッズと展望|海外ブックメーカー発表 | ブクサカ

24-25 セリエA優勝予想オッズと展望|海外ブックメーカー発表

河治良幸さんによるイタリア・セリエAの優勝予想オッズ記事のアイキャッチ画像
イタリア

2024-25シーズンのイタリア・セリエAは、第7節までを消化。序盤の戦いぶりとブックメーカーから発表されているオッズを参考に河治良幸氏に展望をお願いしました。

河治良幸

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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海外ブックメーカー発表/セリエA優勝オッズ

WilliamHill(ウィリアムヒル)のロゴ

ウィリアムヒルから発表されている10月18日時点のセリエA優勝オッズがこちらです。

 順 チーム名 優勝オッズ
1 インテル 1.67倍
2 ナポリ 4.50倍
3 ユヴェントス 6.00倍
4 ミラン 8.50倍
5 アタランタ 29.00倍
6 ローマ 34.00倍
7 ラツィオ 67.00倍
8 トリノ 81.00倍
9 フィオレンティーナ 126.00倍
10 ウディネーゼ 251.00倍
ボローニャ
12 モンツァ 751.00倍
ヴェローナ
ジェノア
パルマ
コモ
17 レッチェ 1001.00倍
エンポリ
カリアリ
ヴェネツィア

※オッズは2024年10月18日時点のWilliamHill公式サイト(セリエA – 優勝 2024/25)から引用

 

セリエAのスクデット争いは期待通りの顔ぶれ

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セリエAの2024-25シーズンは第7節まで終えて、現在はナポリが勝ち点16で首位に立っています。続く2位は勝ち点14のインテルで、勝ち点1差でユヴェントス、ラツィオ、ウディネーゼが追いかけており、ミランは勝ち点11で6位。まだ序盤ではありますが、優勝候補と目されるクラブがおおよそ上位に顔を揃えています。

 

昨季王者のインテルはオッズ1.67倍の優勝候補筆頭

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昨シーズン、2位のミランに勝ち点19差という圧倒的な強さでスクデット(セリエAのリーグ王者に与えられる称号)を獲得したインテルは優勝オッズ1.67倍という数字になっています。

理由は出足が上々であることと、やはりシモーネ・インザーギ監督が4シーズン目を迎えており、チームのベースがしっかり整っていることでしょう。

インテルにとって頼りになるのがマルクス・テュラム。伝説的な代表DFリリアンの息子ですが、ドイツのボルシアMGでブレイクして、昨シーズンはセリエAでの1年目でリーグ13得点と活躍。今シーズンは6試合の出場で7得点を記録し、アタランタのFWマテオ・レテギと並んで得点ランキングのトップに立っています。

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中断前のトリノ戦でハットトリックを達成するなど、複数得点の試合が3試合あり、やや活躍の波はありますが、昨シーズン得点王でもある相棒のアルゼンチン代表FWラウタロ・マルティネスと良い補完関係を築いており、ヨーロッパでも屈指の2トップと言えるでしょう。

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3-5-2のシステムでチームの心臓となっているのが、トルコ代表MFハカン・チャルハノールです。若き日は攻撃的なファンタジスタというイメージの強かったチャルハノールですが、経験を積みながら中盤からのパスワークと守備の能力を磨き、セリエAを代表するレジスタ(攻撃の組み立て役)に成長を遂げています。

歴史上においても指折りの直接FKからの得点力も相手の脅威です。35歳のベテランながら、抜群のセービングを見せるスイス代表の守護神ヤン・ゾマーなど、ディフェンスのタレントも揃っており、シーズンを通して大崩れが考えにくいチームであることは間違いありません。

 

2番人気は4.50倍のナポリ ルカク中心に今季は好スタート

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そのインテルを打倒する1番手と見られるのが、優勝オッズ4.50倍のナポリです。

2シーズン前の王者ですが、昨シーズンはまさかの10位に終わりました。しかし、新シーズンは7試合で5勝1分け1敗と快調に勝ち点を積み上げており、過去にユヴェントスとインテルで計4回のリーグ優勝を成し遂げ、チェルシーでプレミアリーグを制覇した経験も持つアントニオ・コンテ監督が率いていることも、期待値の高さにつながっていると想定されます。

もうひとつは欧州カップ戦の出場資格がない分、インテルやミランのように過密日程をあまり気にすることなく、主力メンバーをリーグ戦に投入できるアドバンテージもあるでしょう。

攻撃の中心はベルギー代表の大型FWロメル・ルカクです。31歳とベテランの年齢になってきていますが、決定力は健在。深みのあるポストプレーで、周りのアタッカーに点を取らせることもできます。コンテ監督とはインテル時代にタッグを組み、リーグ優勝を果たしています。

中盤もプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドから移籍したスコットランド代表MFスコット・マクトミネイ、カメルーン代表のMFアンドレ・ザンボ・アンギサといった高強度のタレントを、スロバキア代表の司令塔スタニスラフ・ロボツカがガイドする関係は抜群です。

ただ、そのロボツカは左足のハムストリングに問題を抱えていると伝えられています。幸い長期離脱を強いられる程度ではないようですが、代表ウィークによる中断明けの数試合にどう影響してくるかは気がかりなところです。

 

唯一無敗のユヴェントスは6.00倍の3番手

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そのナポリとほぼ差がない優勝オッズ6.00倍のユヴェントスはここまで7試合で、唯一の負けなしを記録しています。チームのベースになっているのが、わずか1失点のディフェンス。ここまで首位のナポリが5失点、2位のインテルにいたっては9失点しているのと比較すると、いかに強固かは明白です。

昨シーズンのボローニャをクラブ史上初のCLに導いたチアゴ・モッタ監督が、早くも組織的な守備を植え付けており、イタリア代表DFフェデリコ・ガッティを中心に集中力の高い対応を見せています。

攻撃面はここまで10得点という数字が表す通り、インテルのような爆発力は見せていませんが、190cmのセルビア代表FWドゥシャン・ブラホビッチを明確なターゲットマンとして、多角的なビルドアップから効率よくチャンスにつなげるビジョンが共有されているのが見て取れます。

エースのブラホビッチはここまで5得点を記録していますが、そのうち4点がPKとなっており、流れの中から決め切る形をもう少し作っていきたいところです。攻撃の迫力という意味では2列目からのシュートが多くないところは得点数を増やすための課題かもしれません。

 

プリシッチと左サイドで破壊力見せるミラン

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4番目のミランも8.50倍と優勝オッズの評価は高く、十分にスクデットは狙える位置にいると評価されているのがわかります。7試合を終えた現在は勝ち点11で6位ですが、ここまで日本代表GK鈴木彩艶が守護神のパルマとフィオレンティーナに敗れた一方で、ヴェネツイアには4-0の大勝を飾るなど、出入りが激しい序盤戦となっています。

パウロ・フォンセカ監督が”カルチョ”と呼ばれるイタリアのクラブとしては積極的なスタイルを打ち出していることもありますが、ここまで5得点2アシストのアメリカ代表FWクリスティアン・プリシッチを筆頭に、ハマった時の爆発力はナンバーワンでしょう。

攻撃の鍵を握るのは左サイドバックのテオ・エルナンデスで、ここまで2得点2アシストの俊英はボランチのオランダ代表MFタイアニ・ラインデルスなどを起点に、効果的な攻め上がりを見せています。

エルナンデスと左の縦ラインを組むウイングのポルトガル代表FWラファエル・レオンも鋭い仕掛けで多くのチャンスを作り出しています。実際ここまで3アシストを記録していますが、17本のシュートを打って1得点というのは物足りなさもあり、持ち前の打開力にゴールという結果が付いてくれば、右のプリシッチと強力な両翼として、猛威を振るっていきそうです。

前線で縦の2トップを組むイングランド代表FWタミー・エイブラハムとスペイン代表FWアルバロ・モラタは相手ディフェンスに良いプレッシャーを与えていますが、決め手という部分ではエイブラハムが1得点、モラタが2得点。ここもポジション的には数字を伸ばしていきたいところです。

ミランはCLにも参加していますが、ここまでイングランドのリヴァプールとドイツのレヴァークーゼンを相手に連敗を喫しており、新フォーマットとなったリーグフェーズで32位に低迷しています。まだ巻き返しのチャンスが十分に残されていると言っても、今後の展開によってはリーグ戦をより優先していく起用法にシフトチェンジしていく可能性もありそうです。

 

4強以外の注目チームは?

5番目のアトランタは29.00倍、6位のローマが34.00倍、7位のラツィオが67.00倍となっており、現実的にはインテル、ナポリ、ユヴェントス、ミランの”4強”による優勝争いと見られている向きはあります。

ただ、マルコ・バローニ監督が率いるラツィオは現在4位と好調で、セネガル代表の俊英ブライエ・ディアを中心とした攻撃がうまく噛み合い続ければ、優勝争いに食い込んでいく期待はあります。

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もう一人、注目のアタッカーはアルゼンチン代表FWバレンティン・カステジャーノスです。同クラブで伝説を築いたチーロ・インモービレ(ベジクタシュ)の後継者とも目されるストライカーですが、昨シーズンは4得点止まりでした。今シーズンは早くも4得点をあげており、鋭い裏抜けを武器に得点力が開花すれば、ラツィオを高みに導くかもしれません。

優勝オッズが高くない中で注目したいのはウディネーゼです。全体の10番目となる251.00倍ですが、スタートダッシュに成功して現在ラツィオと同じ勝ち点13で、5位につけています。

コスタ・ランジャイク監督が率いるチームは3-5-2をベースに躍動的なサッカーを構築しており、王者インテルと接戦の末に2-3で敗れた第6節のゲームでも、確かなポテンシャルを示しました。

10番を背負う技巧派のフロリアン・トバン、201cmの超大型FWロレンツォ・ルッカなど、個性的なアタッカーをスウェーデン代表イェスパー・カールストロムを軸とした中盤が生かせるか。

パルマは751.00倍。現在16位というポジションの通り、まずはセリエA残留が目標になりますが、若き守護神である鈴木の成長とともに浮上を期待したいところです。

 

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