【河治良幸】22-23 セリエA優勝予想オッズと展望予想 | ブクサカ

【河治良幸】22-23 セリエA優勝予想オッズと展望予想

【河治良幸】22-23 セリエA優勝オッズと後半戦の展望予想

2022-23シーズンのイタリア・セリエAは、38節を戦うシーズンのうち半分強の日程を消化し、優勝が見込まれるチームも絞られてきました。今回はシーズン残りに向け、ブックメーカーから発表されているオッズを参考に河治良幸氏に展望をお願いしました。

河治良幸

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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海外ブックメーカー発表/22-23 セリエA優勝オッズ

WilliamHill(ウィリアムヒル)のロゴ

イギリス大手スポーツブックメーカー、ウィリアムヒル社から発表されている2月9日時点のセリエA優勝オッズがこちらです。

オッズ順 チーム名 オッズ 開幕時オッズ
1 ナポリ 1.04倍 13.00倍
2 インテル 13.00倍 2.75倍
3 ミラン 41.00倍 41.00倍
4 ローマ 67.00倍 15.00倍
5 ユヴェントス 81.00倍 3.00倍
6 ラツィオ 101.00倍 51.00倍
7 アタランタ 126.00倍 26.00倍
8 トリノ 751.00倍 501.00倍
ウディネーゼ 751.00倍 1,001.00倍
10 サッスオーロ 1,001.00倍 501.00倍
ボローニャ 1,001.00倍 751.00倍
ヴェローナ 1,001.00倍 501.00倍
フィオレンティーナ 1,001.00倍 67.00倍
14 サンプドリア 1,501.00倍 1,001.00倍
15 モンツァ 2,001.00倍 501.00倍
16 レッチェ 2,501.00倍 5,001.00倍
サレルニターナ 2,501.00倍 5,001.00倍
18 エンポリ 3,001.00倍 2,001.00倍
19 クレモネーゼ 5,001.00倍 5,001.00倍
スペツィア 5,001.00倍 3,001.00倍

※オッズは2023年2月9日時点のWilliamHill公式サイト(セリエA – 優勝 2022/23)から引用

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ナポリで決まり!?セリエAのスクデット争い

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欧州主要リーグはカタールW杯による中断期間を経て、後半戦に入っており、イタリアのセリエAもここまで21試合を消化しています。

ここまで順調に勝点を獲得しているのが首位のナポリです。ディエゴ・マラドーナを要して、二度目のリーグ優勝を果たした1989-90シーズン以来のスクデット獲得に向けて、突き進んでいます。2位インテルとは勝点が13差に開いており、これをインテルが逆転するのはかなり困難でしょう。

優勝オッズ(2月7日時点)もそれを裏付けるようにナポリが1.04倍となっており、第21節のミラノ・ダービーに勝利したインテルが13.00倍、この敗戦で6位に後退した前回王者ACミランは41.00倍と大きく開いています。インテルに次ぐ勝点40で3位のASローマは67.00倍。4位のラツィオが101.00倍、5位のアタランタは126.00倍となっています。

”奇跡”が起こるとしても、優勝の可能性があるのはここまでのクラブでしょう。実はユヴェントスもローマに次ぐ87.00倍なのですが、これは2020年から2021年にかけての不正会計疑惑に伴う勝点のペナルティが反映されていないからで、すでに本来の38から15減らされて、勝点23の13位に転落しています。

 

新守護神を軸にした安定したディフェンス

首位独走中のナポリは得点が51、失点が15とどちらも1位で、成績を裏付ける数字を残しています。ルチアーノ・スパレッティ監督が率いるチームは4-3-3のシステムをベースに、コソボ代表の大型DFアミル・ラフマニと韓国代表キム・ミンジェが、素晴らしく安定したディフェンスを支えています。しかし、最大級のブレイクは25歳の守護神アレックス・メレトかもしれません。

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昨シーズンはコロンビア代表のダビド・オスピナと激しいレギュラー争いを繰り広げたメレトですが、オスピナ退団に伴い、新たなワールドクラスの守護神獲得が噂されていました。しかし、結局GKの大型補強はなかった状況で、メレトはキャリア最高のパフォーマンスで、ここまでリーグ最小失点の立役者になっています。おそらく立て直しが期待されるイタリア代表でも有力候補になるでしょう。

 

タレントが躍動する攻撃陣はオシムヘンが牽引

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オフェンス最大のヒットはやはり、得点王ランキングで1位を走るナイジェリア代表FWヴィクター・オシムヘンでしょう。ただ、ジョージア代表の21歳クヴィチャ・クワラツヘリアもウィングのポジションから8得点を記録しており、大きな注目を集めています。

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中盤ではスロバキアのスタニスラフ・ロボツカが攻守の引き締め役を果たすことで、ポーランド代表の司令塔ピオトル・ジエリンスキやカメルーン代表アンドレ・ザンボ・アンギサが躍動しています。

 

追いかけるインテルはナポリとの直接対決までに差を詰めることが不可欠

ナポリは得失点差が+36あり、これは2位インテルの+15を21も上回る数字で、まさに圧倒的です。インテルとの勝点差13を考えると単純計算でインテルが4連勝、ナポリが4連敗しても逆転できません。そもそもナポリは21試合で1敗しかしておらず、残り17試合で4敗する可能性がどれだけあるのかも疑わしいところです。

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インテルに奇跡の逆転優勝があるとしたら、5月21日に行われるアウェイの直接対決に勝利することが絶対条件になるでしょう。実はナポリが今シーズンのセリエAで、喫した唯一の敗戦がアウェイのインテル戦でした。

もちろんホームとなればナポリは熱狂的なサポーターの応援を受けてより強さを発揮しますが、インテルにとっては自信と希望を持って臨めるでしょう。もっとも、その後で残り2試合しかないので、インテルは第36節となるナポリ戦までに最低でも勝点8差以内にしておく必要があります。

ナポリのここからの対戦カードを見てみると、3月3日にホームでラツィオ戦、3月11日にアタランタ戦があり詰まっています。しかも、直後の15日には、ラウンド16に勝ち進んでいるチャンピオンズリーグのフランクフルトとの第2戦があります。ここがナポリにとって一番難しいところです。

また上記の理由で下位に沈んでしまいましたが、ユヴェントスも本来は手強い相手で、4月23日のアウェイゲームはナポリが優勝に軌道をのせるために、難しい試合のひとつになるでしょう。そうは言っても、勝点差を考えればひとつの敗戦で慌てることなく、うまく切り替えていくことも大事なポイントになりそうです。

 

勝点をもう落とせないインテル

インテルはナポリとの直接対決まで、敗戦はもちろん、ひとつの引き分けが勝点2を落とすことになると言ってもいい状況です。ただ、上位対決を多く残しており、特に4月30日のラツィオ戦は生き残りをかけたシビアなゲームになるでしょう。さらに5月7日にはローマとのアウェイゲームがあります。

インテルはナポリと同じく、チャンピオンズリーグのラウンド16に勝ち上がっており、ポルトガルのFCポルトが相手になります。ミッドウィークに行われるチャンピオンズリーグの前後というのはコンディショニング、プランニングともに難しく、特にアウェイゲームの直後は移動もあるので、普段より負荷がある状態でリーグ戦に臨まなければいけません。

インテルにとって、ポルトとの第2試合の後に控える、3月19日のユヴェントス戦が鬼門になるかもしれません。昨年11月6日にはアウェイながらユヴェントスに0-2で敗れています。その時はフランス代表MFアドリアン・ラビオに決勝点を叩き込まれました。

インテルとしてはもうひとつひとつトーナメントのように戦っていくしかないかもしれませんが、その中でも難しいカードが残っており、そうした試合で勝点3を積み重ねていけるかどうか注目です。

 

トップ4は6チーム、残留は4チームでの争い?

スクデットはさておき、チャンピオンズリーグ出場権獲得圏内(4位以内)の争いはかなり熾烈で、ナポリはもちろんインテル、ローマ、ラツィオ、アタランタ、ミランの6チームによる争いになりそうです。6位のミランと7位のトリノは勝点差が8あるので、5位のアタランタも含めて、逆転は難しいかもしれません。

 

残留争いのカギを握るのはスペツィア

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残留争いに目を移すと、降格枠は3つですが、

  • 勝点14で18位のヴェローナ
  • 勝点10で19位のサンプドリア
  • 勝点8で最下位のクレモネーゼ

でそのまま決まってしまう可能性もあります。ただ、勝点18の17位スペツィアも油断はできない状況ですが、初のセリエA挑戦となった2020-21シーズンから3年目。ここまで15位、16位ときており、3シーズン連続の残留がかなえば、来シーズン中位に食い込んでいく期待が高まります。

 

残留争いだけでなく優勝争いにも影響与える可能性大のプロヴィンチャ

セリエAはいわゆる「プロヴィンチャ」と呼ばれる地方の小クラブが、スクデットを狙うビッグクラブや強豪クラブを相手に”ジャイアントキリング”をやってのけるケースは多くあります。

今シーズンは1月23日の試合で、インテルがエンポリにホームで0-1で敗れる番狂わせがありました。その敗戦が、ナポリを追いかけるインテルにとっても重くのしかかっているところはあります。

ナポリは序盤の昨年8月31日にレッチェと1-1の引き分けを演じてしまいましたが、それ以降は中下位チームとの試合で、着実に勝点3を積み上げています。ただし、コパ・イタリアのラウンド16では、クレモネーゼと2-2からのPK戦の末に敗退しました。そのクレモネーゼと2月12日に対戦します。ここで大番狂わせの再現があるようだと、まさかの下降線ということもあり得ます。

 

得点王争いもナポリとインテルの争い

最多得点者(得点王)オッズは、以下となっています。

オッズ順 選手名 得点数 オッズ
1 ヴィクター・オシムヘン(ナポリ) 16点 1.36倍
2 ラウタロ・マルティネス(インテル) 12点 5.50倍
3 アデモラ・ルックマン(アタランタ) 12点 10.00倍
4 チーロ・インモービレ(ラツィオ) 8点 15.00倍
5 クヴィチャ・クワラツヘリア(ナポリ) 7点 21.00倍
6 ムバラ・エンゾラ(スペツィア) 9点 26.00倍
ラファエル・レオン(ミラン) 8点 26.00倍
8 エディン・ジェコ(インテル) 7点 29.00倍
マルコ・アルナウトヴィッチ(ボローニャ) 8点 29.00倍
10 ドゥザン・ブラホヴィッチ(ユヴェントス) 6点 34.00倍
パウロ・ディバラ 7点 34.00倍

得点ランキングトップは、現在16得点のオシムヘン。得点王のオッズは1.36倍となっており、12得点で2位タイの二人では、アルゼンチン代表FWラウタロ・マルティネス(インテル)が5.50倍、オシムヘンと同じくナイジェリア国籍のアデモラ・ルックマン(アタランタ)が10.00倍と続きます。

7得点で現在10位タイのチーロ・インモービレ(ラツィオ)に15.00倍という高オッズが付いているのは過去に4度の得点王を受賞している実績によるところが大きいでしょう。ジェコ、ブラホヴィッチ、ディバラといった実力者たちのプレーは最後まで注目です。

 

ナポリ優勢は間違いなしも、逆転も多いセリエA

順当ならナポリが三度目のスクデットを手にするでしょうが、過去の歴史においてもいろんな逆転劇が起きてきたのが”カルチョ”の世界。今シーズンもさらにシーズンが進み、逆転の目が完全に途絶えるまでは油断できないでしょう。

その一方で、ラウンド16でトッテナムと対戦するミラン、フランクフルト相手のナポリ、ポルトと当たるインテルといったセリエA勢が、チャンピオンズリーグでどこまで勝ち進めるかも並行して、注目していきたいところです。

河治良幸

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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