2024-25 ブンデスリーガ優勝予想オッズと展望|海外ブックメーカー発表 | ブクサカ

2024-25 ブンデスリーガ優勝予想オッズと展望|海外ブックメーカー発表

河治良幸さんによるブンデスリーガ優勝オッズコラムのアイキャッチ画像
ドイツ

2024-25シーズンのドイツ・ブンデスリーガは、第6節までを消化しています。序盤の各チームの戦いと今後の優勝争いについて、ブックメーカーから発表されているオッズを参考に、河治良幸氏に展望をお願いしました。

河治良幸

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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海外ブックメーカー発表/J1リーグ優勝オッズ

WilliamHill(ウィリアムヒル)のロゴ

ウィリアムヒル社から発表されている10月18日時点のブンデスリーガ優勝オッズがこちらです。

 順 チーム名 優勝オッズ
1 バイエルン 1.25倍
2 レヴァークーゼン 4.50倍
3 ライプツィヒ 23.00倍
4 ドルトムント 34.00倍
5 フランクフルト 67.00倍
6 シュトゥットガルト 81.00倍
7 フライブルク 201.00倍
8 ウニオン・ベルリン 401.00倍
9 マインツ 501.00倍
ヴォルフスブルク
11 ボルシアMG 1001.00倍
12 ハイデンハイム 1501.00倍
ホッフェンハイム
14 アウクスブルク 2001.00倍
ザンクトパウリ
ブレーメン
ボーフム
18 ホルシュタイン

※オッズは2024年10月18日時点のWilliamHill公式サイト(ドイツ・ブンデスリーガ – 優勝 2024/25)より

 

オッズではバイエルンとレヴァークーゼンの2強も6チームでの争いに

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2024-25シーズンのドイツ・ブンデスリーガは第6節まで終えて、バイエルン・ミュンヘンが勝ち点14で首位、同勝ち点の得失点差でライプツィヒが2位につけています。

昨シーズン、バイエルンの12連覇を阻んだレヴァークーゼンは3勝2分け1敗で5位とまずまずのスタートを切っていますが、2位フィニッシュだったシュトゥットガルトは勝ち点9の8位とやや苦しいスタートになっています。

優勝オッズは復権を目指すバイエルンが1.25倍、シャビ・アロンソ監督が続投したレヴァークーゼンが4.50倍で2番人気となっていますが、3番人気のライプツィヒは23.00倍と上位2チームからかなり離れています。

そのほか、オッズが2桁のチームは34.00倍のドルトムント、67.00倍のフランクフルト、81.00倍のシュトゥットガルトです。続く7番目は堂安律を擁するフライブルクで201.00倍という数字になっており、現実的には6チームによる優勝争いが予想されていると言えます。

 

攻撃力と若手の台頭で優位のバイエルン

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優勝オッズから順に追っていくと、バイエルンは元ベルギー代表のバンサン・コンパニ監督が率いて、6試合で20得点と爆発的な攻撃力を見せつけていますが、失点も7しています。

4-2-3-1をベースとしながらメカニズムは機能的で、スピーディーなビルドアップから縦に刺す攻撃は魅力的である一方で、守備のリスクにも向き合う形になっており、ディフェンスラインもあまり数的優位で構えず、1対1で奪いにいく姿勢を見せる分、リスクも伴います。

昨シーズンも34試合で94得点を記録しており、決して得点力が低かった訳ではありません。しかし、現在のバイエルンは引いてくる相手に対しても、自分たちから崩しにいける攻撃の迫力を備えています。

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1トップに張るイングランド代表FWハリー・ケインは6試合で5得点5アシストを記録しており、コンパニ監督の掲げる攻撃的なスタイルの中で、点を取ることも取らせることもできるタレント力が存分に発揮されています。

期待の新戦力はフランスの新星ミカエル・オリーズ。左利きの大型ウインガーで、プレミアリーグのクリスタル・パレスから加入。右サイドを主戦場に、ここまで4得点2アシストをあげています。フランス代表はいまだU-21や予備メンバー止まりですが、ドイツ随一の名門でスタメンに定着し続ければ、”レ・ブルー”招集は時間の問題でしょう。

もう一人の補強の目玉は日本代表DF伊藤洋輝ですが、加入間もない7月に中足骨骨折という怪我を負ってしまいました。そこからトレーニングは再開していましたが、今度は太ももを痛めたという情報もあり、もし再離脱となればバイエルンにとっても日本代表にとっても痛手になります。

センターバックは韓国代表のキム・ミンジェとフランス代表のダヨ・ウパメカノが、攻守に安定したパフォーマンスを見せていますが、チャンピオンズリーグ(CL)など過密日程が増すだけに、良い流れでの復活が待たれます。

コンパニ監督になって俄然、輝きを強めているのが、ミュンヘン生まれでアカデミー育ちの20歳MFアレクサンダル・パブロビッチです。バイエルンⅡで頭角を表したパブロビッチはユリアン・ナーゲルスマン監督やトーマス・トゥヘル監督の元でも評価を高めていましたが、中盤での献身的な守備と左右の正確なパスを武器に、若き大黒柱とも呼べる存在感を見せています。セットプレーのキッカーとしても優秀で、バイエルンの新たな象徴になっていきそうです。

 

2番手は昨季王者のレヴァークーゼン

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バイエルンの”対抗馬”と見られる前回王者のレヴァークーゼンは、クラブのレジェンドでもあるシャビ・アロンソ監督が、数多のオファーがあったと想定される中で、レヴァークーゼンに留まりました。

それは昨シーズン評価を高めた主力選手がクラブに残る大きな理由にもなったはず。開幕戦は日本代表DF板倉滉を擁するボルシア・メンヒェングラートバッハ(以後、ボルシアMG)を相手に、後半アディショナルタイムにドイツ代表MFフロリアン・ビルツの劇的なゴールで3-2の勝利を飾りましたが、第2節は昨シーズン2位のライプツィヒに2-3で敗れてしまいました。

しかし、その後は負けなしで、第5節にはバイエルンとホームで1-1のドロー。町野修斗がエース級の活躍を見せている”昇格組”のホルシュタイン・キールとも2-2で引き分けたのは痛いですが、一巡目の早い段階で強豪との対戦を終えたこともあり、ここから着実に勝ち点を伸ばしていけば、現在首位のバイエルンや同勝ち点で2位のライプツィヒにもついていけるでしょう。

3-4-2-1のシステムは変幻自在で、絶対的な司令塔のスイス代表MFグラニト・ジャカの展開力を支えに、俊英ビルツやナイジェリア代表の大型FWビクター・ボニフェイスなどが躍動しています。

レヴァークーゼンには新フォーマットに改変されたCLでの躍進も期待されます。

ここまでオランダのフェイエノールト、イタリアのミランを破って2連勝を飾り、快調なスタートを切っています。シーズンを通して過密日程になってくると、選手層の面で不安は出てくるかもしれませんが、昨シーズンもヨーロッパリーグ(EL)で準優勝。チャンピオンズリーグは心身の負荷がより大きくなるはずですが、欧州カップ戦との”二足の草鞋”に慣れている点はポジティブでしょう。

 

ローゼ監督3年目のライプツィヒが3番手

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優勝オッズが3番目のライプツィヒはマルコ・ローゼ監督が3シーズン目を迎えて、チームは成熟期に入った感があります。今年6月には2026年までの新契約を結んでおり、レッドブル・グループの信頼を感じさせます。

4-4-2のソリッドなシステムで、重厚なハイプレスでボールを奪い、中央突破をベースに突き刺すような攻撃を繰り出すライプツィヒのスタイルは、ドイツでも目を見張るものがあります。

そうしたサッカーをハイレベルにやり切るためのタレントも揃ってきており、ベルギー代表FWロイス・オペンダと194cmのスロベニア代表FWベンヤミン・シェシュコのコンビが前線で猛威を振るっています。

生命線となる中盤はマリ代表MFアマドゥ・ハイダラが軸ですが、90分フル出場という試合は少なく、それは”相棒”のオーストリア代表MFニコラス・サイバルトにも言えます。ハードワークが要求されるライプツィヒの中盤は固定的なセットに頼らずに、複数の組み合わせで機能できるようにしていくことが、安定して勝ち点を積み上げていくための鍵になりそうです。

 

国内リーグでは出遅れのドルトムントは巻き返しなるか

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4番目のドルトムントは開幕戦で難敵のフランクフルトに勝利しましたが、第4節のシュトゥットガルト戦で5失点の大敗。三好康児が所属するボーフムには4-2で快勝しましたが、代表ウィーク前のウニオン・ベルリン戦で惜敗。優勝オッズの上位に評価されるチームの中ではやや出遅れています。

ギニア代表FWセール・ギラシを中心とした攻撃はなかなかの爆発力ですが、同クラブのレジェンドであるヌリ・シャヒン監督は守備構築に苦しんでいるように見えます。

しかし、ドルトムントはCLで絶好のスタートを切り2連勝、10得点1失点という圧倒的な数字で、リーグフェーズの首位に立っています。まだ先は長いですが、他のドイツ勢とともにCLでの躍進も期待されます。

 

フランクフルトは5番人気 マーモウシュのゴール量産に期待

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5番目のフランクフルトは一昨シーズンが7位、昨シーズンが6位と安定感がありますが、優勝争いやCL出場権を得られる5位以内を狙う上で、もう1つプラスアルファのパワーが求められます。

開幕戦でいきなりドルトムントに敵地で敗れましたが、その後は勝ち点3を積み重ねて、中断前のバイエルン戦では3-3という壮絶な戦いの末に引き分け。チームの高いポテンシャルを世に知らしめました。

大注目はエジプト代表FWオマル・マーモウシュです。現在6試合で8得点4アシスト。母国では”サラーの後継者”としても期待を集めるストライカーが、どこまで数字を伸ばしてチームを引っ張るのか。

 

チェイス・アンリが定着のシュトゥットガルトが6番人気

6番目のシュトゥットガルトは昨シーズンの2位フィニッシュを一過性の奇跡とせずに、引き続き上位争いに絡んでいけるかどうか。クラブとしても夢の舞台だったCLを戦いながらなので、2つの大会でハイパフォーマンスを出していくのは大変でしょうが、セバスティアン・ヘネス監督の手腕に注目です。

チェイス・アンリはバイエルンに移籍した伊藤の意志を継いで、シュトゥットガルトのディフェンス陣で主力定着を目指します。身体能力の高さはドイツでも目を見張るものがあり、最近は右サイドバックとしても起用されています。

 

優勝の可能性は堂安律のフライブルクまでか

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7番目のフライブルクはオッズを見ると優勝の可能性はかなり低いと見られているようですが、奇跡的な優勝を果たすとすれば、このクラブかもしれません。バイエルンのような派手さはないですが、ジュリアン・シュスター監督の明確なビジョンのもとに、4-2-3-1をベースとした多角的な攻撃は高い完成度を誇っています。

右サイドの堂安律も守備的なタスクをしっかりとこなしながら、仕掛けや決め手のある左足で違いを生み出しています。22歳のトルコ代表MFエレン・ディンクチなど、オーストリア代表FWチュクビケ・アダムなど、ここから化けそうなタレントもおり、チームの成長とともにチェックしていきたいチームです。

 

日本人選手所属クラブ台頭の可能性も

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さらに本来のポテンシャルであれば、日本代表DF板倉がディフェンスの主力を担うボルシアMGの復活にも期待したいところ。

ジェラルド・セオアネ監督が名門復活に向けて、チームを建て直せるか。20歳のFW福田師王の台頭も待たれます。日本人選手ではマインツに加入したMF佐野海舟、キールでドイツ1部にステージを上げた町野が現在の4得点からどこまで数字を伸ばしていくかにも注目です。

 

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